`不確実性の時代'を生き抜く 最強の「経営企画部」 の感想

私なりに表現してみると、この本は単なる小手先の経営指南書ではなく、
『自分のキャリアを考える時、メンター（先生）となってくれる一冊』です。

つまり限られたケースにしか使えないテクニックの辞書ではなく、これは『教科書』だと思います。

企業の中枢である「経営企画部とは何か」から始まり、そこに携わりたい人には
「どのような考え方・知識を身に着け、どのようなマインドを持つようにしていくべきか」を説いています。

本書を読むと「構想全体を機能させるためには、こういった切口や手法が考えられ、
そういったアイデアや視点を得るためには、こういった切口・手法が考えられ…」というように、まるで筆者と対話しているかのように
感じると思います。マトリョーシカです（笑）。ぴったりの解答が用意されているではなく、考えさせられます。
本書の構成の良さであり、その点で方法論に終始した他の経営本と異なっています。

登山に例えると、山の周囲の状況を少しずつ明らかにしていくイメージです。このときまるで山を知り尽くしたベテランが隣にいて、最短ルートを直接教えては貰えないが、コンパスと地形図の見方のポイントを教えてくれるイメージでしょうか。
なぜなら、最短ルートは山によって違いますが、地形の見方はどこでも通用するからです。

※本書カバーに「経営企画に関係する仕事に就きたい学生から、経営企画への配属が決まった社会人まで」とあり、後で納得しました。

なので、これは何度も目を通すべき『教科書』なのだと思います。
ふとした時間に1節や1項分でもいいと思います。
じわじわと「ああ、そういうことなのかな？」と疑問とおぼろげな地形図が浮かび、そこからメンターとの対話が始まります。