電撃戦〈上〉グデーリアン回想録 の感想
参照データ
タイトル | 電撃戦〈上〉グデーリアン回想録 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ハインツ グデーリアン |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784120028823 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
無線部隊での経験と本来の専門ではなかった輸送交通の部門に配属され上司と共に研究をするうちに次第にヨーロッパのど真ん中という地理的な条件から戦争に勝つためには短期に全兵科を移動させることを考え出し、それまでの戦場の花型であった歩兵や騎兵部隊幹部の妨害を受けつつも、装甲部隊を育てあげていく様が書かれている。抵抗勢力に対しての歯に衣を着せぬ発言は本書で十分発揮されていて気持ちよいが、「ドイツ参謀本部」の著者であるゲルリッツには短気で我慢が足りない奴と映っていたようだ。プロイセン以来参謀本部を始め聡明とおもわれがちなドイツ軍の頭脳も意外や頑迷なお方がたくさんいたのだと驚かされるとともに初期の装甲部隊はその力も運用もまだまだ未熟でポーランド戦ですら薄氷を踏むような戦いであったことが詳細に書かれているとともにヒトラーの外交と戦争経済に対する当時の言動にも触れられており、歴史の流れを見るという意味でも本書はおもしろい。下巻は絶望的な状況の中での総長就任であるため、指導者クラスへの批判が多い構成となっている。