怪奇まんが道 (ホームコミックス) の感想

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参照データ

タイトル怪奇まんが道 (ホームコミックス)
発売日2015-11-19
製作者あだち つよし
販売元ホーム社
JANコード9784834232394
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

 (少し内容に触れています)

 戦後、漫画が娯楽の一線に躍り出て以降、手塚治虫や楳図かすおの漫画や海外の小説に影響を受けて怪奇漫画の世界に歩みを進めた若者達が居た。

 ホーム社のホラー&ファンタジー季刊誌「コミック特盛 新耳袋 アトモス」連載。
 貸本時代から’90年代を席巻した少女向けホラー漫画誌時代に活躍した、古賀新一、日野日出志、伊藤潤二そして犬木加奈子各氏を主人公にした、昨今流行りの怪奇版「まんが道」連作短編です。
 多くの漫画家が家庭生活や健康を危機に晒しながら命を削って漫画を作り続けていた事が解ります。
 怪奇漫画家を自ら演じているが如きサービス精神満点の日野日出志氏や、怒涛の10年を描き切り、現在は憑き物が落ちた様な犬木氏、飄々とした伊藤氏、恬淡とした古賀氏と皆大変個性的です。
 
 漫画家諸氏の日常描写には余り怖さは無いのですが、格闘物の印象が強かったあだち氏の達者な模写(そっくりです)による復元部分は現在では少年少女誌に掲載するのは無理だと思える物も多く、如何に当時の怪奇漫画がアナーキーであったかが窺い知れます。
 ひとつだけ本作内のエピソードを挙げますと日野日出志氏の掲載誌編集部にPTAのみならず警察から警告の電話が入る描写が有ります。

 掲載誌での連載はきりの良い所(本書掲載分)で終わっていますが、売れ行きが良ければ継続されるかも、との事(あだちつよし氏談)。
 続けば今度はネタ切れが心配になりますが…。
 昭和平成初期の怪奇ホラー漫画、特に掲載漫画家諸氏のファンの方にはお薦めです。

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