より良い外国語学習法を求めて―外国語学習成功者の研究 の感想

この本は体系的であり、科学的な方法を意識しているので厳密な作業を経て書かれている。厳密さは結論を早く求める人にとっては、余計なものになる。しかし、外国語学習の方法について深く勉強してみたいと思う人にとってはこれ以上の本はめったにない。

英語（外国語）の勉強法に関する本は数多く出ているが、そこで書かれていることはこの本のどこかに出ていると思われる。学習法を網羅的に知りたい方には最適の本となる。

レビュアーが今興味を持っているのは、日本人が英語を勉強するときと、中国語を勉強するときどう方法が変わってくるのかということ。今は両方で達人の域に達している方が相当おられるのではないか。だから研究対象となる人はいる。また、方法論にこだわる人とそうではない人の学習到達度と速度の違いを研究して欲しい。私見では適度の方法論に興味をもつ人のほうが効果的な勉強をしていると推測する。

外国語学習においては、自分なりの方法で継続して、しかも集中できる分野をもっていると効果的な学習が可能になる。自分なりの方法をみつけ改善していくにはこうした本を適当な間隔を置いて読むことがいちばんであると思う。