新約聖書ギリシア語初歩 の感想

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いまや大学の神学部で使用するギリシア語文法のテキストは、土岐文法から大貫文法に取って代わられた感があります。しかし、練習問題の質からみると、土岐文法はいまだに必読の書のように思われます。

大貫文法は「希→和」訳の練習問題しかありませんが、土岐文法には「希→和」の練習問題とともに「和→希」の練習問題が掲載されています。「希→和」の練習問題は、文法を十分に理解していなくても解くことができるのですが、「和→希」の練習問題は文法を十分に理解していないと解くことができません。「和→希」の練習問題を解くことによって、ギリシア語文法の力が飛躍的に身に付くことは間違いありません。

惜しむらくは、練習問題の解答が付いていないので、独習者が答え合わせをできないのが土岐文法の欠点です（大貫文法には練習問題の模範解答が付録として付けられています）。おそらく、大学のテキストとして使用することを考慮して、教育的な配慮から解答を付録として付けていないのでしょうが、現在、主流で用いられている大貫文法に模範解答が付いているのですから、次回の改定の際には、独習者向けの模範解答が掲載されることを期待します。