Deng Xiaoping and the Transformation of China の感想

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タイトルDeng Xiaoping and the Transformation of China
発売日販売日未定
製作者Ezra F. Vogel
販売元Belknap Press
JANコード9780674725867
カテゴリ洋書 » Subjects » Biographies & Memoirs » Leaders & Notable People

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著者はアメリカを代表する東アジア研究の大家で、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』、『アジア四小龍』などで日本でも知られています。

内容は、トウ小平の半生を通じて中国の現代史を描き出した本。トウ小平への評価は全般的に肯定的で、中国の指導者に留まらず、20世紀の世界の偉人の中でも中心的な位置を占める一人という位置づけ。第一章で幼年期からフランス留学を経て1969年まで一気に記述し、その後は1992年の南巡講話まで、政治闘争、経済政策、外交の3つの視点から詳細に記述。時代の分け方は文革期(1969-77)、権力掌握期(1978-1980)、権力掌握後の安定期、(1978-1989)、天安門事件以降の激動期(1989-1992)、最終章は歴史的評価。

政治では、華国鋒との権力闘争(「二つのすべて」と「実践は真理を検証する唯一の基準である」の論争など)の記述が詳しい。一方で、華国鋒に対しても、四人組逮捕や路線変更などで転換期に重要な役割を果たしたことを指摘。
また、トウ小平流の統治の方法の特徴が第13章にまとめてある。目を引く点は、共産党支配の継続が第一、大きな政策の開始前には、人民の支持を固める、失敗の責任を避ける、長期目標を考慮しつつ短期政策を設計し追求する、事実を重視し、不都合な真実も明らかにする、団結を重んじて分裂を最小化する、実験的な施策実施で保守派の抵抗を抑える、人事は実力主義といったところ。

経済政策では、経済特区設置や生産責任制の追認などが中心で、また、改革開放初期の世銀の知見、専門家の活用といった話が出てくる。また、陳雲との経済成長の速度をめぐる意見の違いの話や、インフレ高騰で人民の反発を受けたという話も出てくる。

外交は、ソ連の脅威やベトナムのカンボジア侵攻に対してのベトナムとの戦争、また、米国、日本との正常化の経緯が中心。日本の支援への記述も手厚い。特に日本との関係については、ここまで関係が良好で、日本の政財界も支援を惜しまなかったことに改めて驚かされます。

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