レッドゾーン(下) の感想

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参照データ

タイトルレッドゾーン(下)
発売日販売日未定
製作者真山 仁
販売元講談社
JANコード9784062154345
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » 経済・社会小説

購入者の感想

あとがきに「本書はフィクションである〜」と強調しているが、真山作品の楽しみかたの一つは、
やはりモデル(であろう)企業や人物を想像しながら読むことだ。
アカマは言わずもがな、序盤のTOB裁判や、SWFを推し進める冨岡議員など、「あーあーコレコレ」と、
ニヤニヤしながらページをめくってしまいました。悲しいかな、鷲津や柴野の実在のモデルは浮かびませんでしたが・・・・
本書は08年3月から連載された小説のはずなのですが、アメリカの疲弊や中国の躍進、不動といわれた
自動車産業の勢力地図激変など、連載時期を考えても、作者に予知能力があるとしか思えない設定には、
本当に驚かされます。
終盤のビッグスリーに対する『ある作戦』は、まさに今のアメリカの自動車産業を取り巻く環境そのものでした。
詳しく書くとネタバレになるので控えますが。

作者の資料分析などは100%感服させられるのですが、肝心のストーリー展開はマンネリを感じさせられました。
1作目、2作目、3作目と、舞台はどんどん大きく広くなるのに、それと反比例してストーリー展開は終わってみると、
案外こじんまりとしたものでした。
シリーズ通して登場するレギュラー陣が登場するたびに、少しうれしくなるのですが、たいした絡みもなく
いつのまにかフェードアウトしていくので、読者サービスのつもりかなぁと白けてしまった。
逆に無理やり絡ませたら、それこそ不自然かもしれませんが。
あと、ハゲタカ2(バイアウト)から引きずっていた謎も、あらかた解決します。しかしそれも、悪い意味で拍子抜け。

確かに面白いです。上下巻一気読みさせるパワーとテンポは、そこらの小説とは一線を画しています。
しかし読み終えると、余韻より「なんだかなー、なんだかなぁ・・・」と、無い物ねだりする気持ちを抑えられません。
いろいろな意味で“惜しい”小説です。

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