<学級>の歴史学 (講談社選書メチエ) の感想
参照データ
タイトル | <学級>の歴史学 (講談社選書メチエ) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 柳 治男 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062583251 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般 |
購入者の感想
著者自身、あとがきで触れてているとおり、教職課程で教鞭をとる者の著作としては異端です。
教職課程では、どのように「学級」を経営していく(学級づくりしていく)かがあらゆる講座の前提となっています。
児童生徒の内面の健康を尊重すべきスクールカウンセリングの講座とて、その例外ではありません。
しかし、著者もいうところの「学習共同体」「生活共同体」「感情共同体」としての学級の暑苦しさは、少し異常かもしれない。
このような懐疑をもつ者が、学級内にいても不思議ではないし、違和感をもつ教育学者はもっといてもいいでしょう。
著者は、この違和感を、近代イギリス教育史から始まる歴史的アプローチによってふるいにかけています。
やや冗長な記述も目立つなと感じましたが、それでも著者ならではの口ぶりは、妙に醒めてて、かつ熱く、好感が持てました。
イジメ報道が過熱すると「教師の力量」が問われるのはお決まりのパターン。
でも、そもそも一人の教師が30〜40人の子どもを相手にあっぱれなマネジメントを展開できるという前提がそもそも怪しいのではないか?
硬質の学級制度そのものを疑うべきではないか?(「学級王国」の主として君臨したがる教師は、今日びかなりの絶滅危惧種でしょう)
そろそろこのような議論が、今よりもう少しでも盛り上がってもいいな。
そう思えた一冊でした。
教職課程では、どのように「学級」を経営していく(学級づくりしていく)かがあらゆる講座の前提となっています。
児童生徒の内面の健康を尊重すべきスクールカウンセリングの講座とて、その例外ではありません。
しかし、著者もいうところの「学習共同体」「生活共同体」「感情共同体」としての学級の暑苦しさは、少し異常かもしれない。
このような懐疑をもつ者が、学級内にいても不思議ではないし、違和感をもつ教育学者はもっといてもいいでしょう。
著者は、この違和感を、近代イギリス教育史から始まる歴史的アプローチによってふるいにかけています。
やや冗長な記述も目立つなと感じましたが、それでも著者ならではの口ぶりは、妙に醒めてて、かつ熱く、好感が持てました。
イジメ報道が過熱すると「教師の力量」が問われるのはお決まりのパターン。
でも、そもそも一人の教師が30〜40人の子どもを相手にあっぱれなマネジメントを展開できるという前提がそもそも怪しいのではないか?
硬質の学級制度そのものを疑うべきではないか?(「学級王国」の主として君臨したがる教師は、今日びかなりの絶滅危惧種でしょう)
そろそろこのような議論が、今よりもう少しでも盛り上がってもいいな。
そう思えた一冊でした。