なぜ「地雷専門店」は成功したのか? 業界未経験の経営者が超人気風俗店を作り上げるまで の感想

業界で知らない人はいない、
伝説のお店の、開業・経営秘話。大変興味深く読みました。

デリヘル開業には二種類のパターンがあります。
自分の好み、性癖を活かしてそのジャンルで開業するパターンと、全くその性癖はないがビジネスとして徹して開業するパターン。
多くは前者です。お客心理がわかるという強みがある反面、仕事に趣味が入ってしまい、経営に徹することができず撤退するケースは散見されます。
デッドボールのケースは明らかに後者です。総監督は風俗にも行ったことがなかったズブの素人でした。デブ専でもブス専でもババア専でもありません。むしろ嫌い、最悪と言ってます。
ビジネスに徹するとはいえ、デブの熱気でクーラーは効かず、室温、湿度が一気に上がり、そこに婆さんたちの加齢臭が加わり、弁当も食い散らかす、そんな環境であなたは仕事ができますか?
池袋店の店長は言います。

「デッドボールで働きはじめてから考え方の許容範囲が広まったと思います。それまでの私生活では関わったことのない子たちばかりですから。それを、すべて"面白い"と言う感覚にもっていかないとやっていけないですよ。常識にあてはめようとしたら、ストレスでパンクする。
ウチの店を、ぜひ企業の新入社員研修に使って欲しいです。ここで1週間一度も怒らなかったら、どんなことでも耐えられるようになりますから」

これは本音でしょう。ただでさえ風俗店長は長時間労働、日々女の子に振り回される、ストレスフルな仕事環境ですが、それでもたまにカワイイ子が入店したり面接したり、一緒に働くことが、一服の清涼剤なのです。
しかし、デッドボールではそんな楽しみは基本的にはありません。
店長も言うとおり、ストレス耐性が鍛えられる修行の場なのです。

デッドボールの成功の要因。
それは圧倒的な差別化と、風俗遊びをエンターテインメント化・アトラクション化したこと。
そして、総監督が風俗遊びをしたことがなかった、ズブの素人だからこその柔軟性(先入観の無さ)。味付けの妙。