宇宙刑事ギャバン THE MOVIE コレクターズパック [DVD] の感想

「３刑事そろい踏み」というだけなら、シャイダーの最終回でやっている。
今やらなくてはならないのは、あのときに出来なかった「３刑事の共闘」だったはず。
なのに、満を持して駆け付けたシャリバンとシャイダーは、
「ここは俺たちに任せて、お前は先に行け」
と、まるで死亡フラグのような笑えない台詞とともに、共闘の機会を棒に振る。
ここで別れた三人は結局最後まで一緒に戦うことがなかった。
しかも要塞が爆発した後にシャリバンとシャイダーがどうなったのかも判らずじまい。この扱いは、あまりにも酷い。

音楽に対する配慮も、もうちょっとどうにかならなかったのか。
初代ギャバンが途中で必殺シーンに「レーザーブレードのテーマ」を使ってしまったため、ラストに別の曲を使わざるを得ず。
「歌」に喩えるなら、サビが曲の真ん中に来て、Ｂメロで締め、という具合だ。
そんな構成の「歌」が盛り上がるはずもない。
「レーザーブレードのテーマ」は「サビ」として最後に取っておくべきだったと思う。
そして絵的にそれは「ダイナミック、クラッシュ、ブルーフラッシュ」のトリプルアタックに乗せて流れるのが理想だった。
それなのに……。

「二度と見られない」というキャッチコピーは、スタッフ自らが作品を台無しにして「二度と機会を奪う」という意味だったのだろうか。

唯一楽しめたのは、初代ギャバン絡みのシーンだけ。
大葉さんのキレのあるアクションに敬意を表して☆をプラス１つ。