ミニオンズ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray] の感想

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　世の中には「陰謀論」というジャンルがあります。よく聞くのはフリーメーソンとか、
何とか委員会とか、とにかくグローバルなネットワークを持った巨大な秘密結社が秘密
裏に世界を動かしているというヤツ。実はこの作品「ミニオンズ」もそういう陰謀論の
一つだと言えなくもない。
　太古から存在するミニオンたちは世界史上の暴君や英雄に取り入るものの、いい加減なアドバイスと致命的
なドジでボスたちを次々と破滅に追いやってしまいます。エジプトのピラミッド文明を
滅ぼし、ドラキュラ伯爵を灰に変え、ナポレオンのモスクワ遠征を大敗北に導く彼らの
姿は、まるでローリングストーンズの名曲「悪魔を憐れむ歌」の歌詞に登場する悪魔のようです。
　ストーンズつながりというわけではないのでしょうが、新たなボスを探す苦難の旅の末にニューヨークに辿
り着いたミニオンたちが「ヒャッハー」とはしゃぐシーンで軽快なリズムを刻むのは、
ストーンズ1966年のヒット曲「19回目の神経衰弱」です。
　正直、それほどメジャーではないこの曲を選ぶ監督の感覚が、なかなかの曲者です。
　また、タートルズの名曲で数々のアーティストによるカバーで知られる「ハッピートゥゲザー」がオープニングを飾ります。
　音楽はもちろん、全編に60年代カルチェーへのオマージュが色濃く反映されているのが、
この作品の大きな特徴です。
　ざっと思いつくだけでも、「ウエストサイドストーリー」
「真夜中のカーボーイ」「俺たちに明日はない」「ジミヘンドリクス」「ドアーズ」「００７」
「キンクス」「ザフー」「ヘアー」「モンキーズ」そして、「ビートルズ」──。
　基本的には子ども向けアニメとはいえ、そういうディテールはおとなにも十分楽しめました。
　物語の最後で少年時代のグルーとミニオンが出会いますが、その後両者がどう関わっていくのか。
次作以降の展開が楽しみです。
　それから、映画のエンドロールのあとで上映された、ミニオンズおよび全出演者による
「レボリューション」（ビートルズ）を聞き逃した方は、是非、ソフトで確認を。