The Hollow (Poirot) の感想
参照データ
タイトル | The Hollow (Poirot) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | Agatha Christie |
販売元 | Harper |
JANコード | 9780007121021 |
カテゴリ | 洋書 » Subjects » Mystery & Thrillers » Mystery |
購入者の感想
ポワロ物の中には、事件の推移に重点を置き、人物はステレオタイプで済ます作品もあるのですが、このThe Hollowはむしろ人物の性格や感情を深く描き、三人の女性のそれぞれの愛情のあり方と男とのかかわりが描かれていて、冒頭から引き込まれました。芸術家として成功しているにもかかわらず自己中心的なダメ男への愛に振り回されるヘンリエッタ、夫を偶像化してあがめることに生き甲斐を見出すガーダ、かなわぬ恋と劣悪な職場環境にもめげない健気なミッジ。そして、認知症かと見紛うほどの天衣無縫な言動の中に、人間関係への鋭い直観を垣間見せるルーシー。キャラクターの造形は絶対男性作家には書けないクリスティーならではのものです。
テレビシリーズを先に見てから原作を英語で読んだのですが、原作のほうが味わいが深い。テレビドラマの枠では表現しきれない女性心理描写が素晴らしいです。最後の謎解きのスリルはあまりないのですが、。補って余りある面白さ。五匹の子豚、杉の柩、カーテンの三作と共に、私のベスト・ポワロになりそうです。
テレビシリーズを先に見てから原作を英語で読んだのですが、原作のほうが味わいが深い。テレビドラマの枠では表現しきれない女性心理描写が素晴らしいです。最後の謎解きのスリルはあまりないのですが、。補って余りある面白さ。五匹の子豚、杉の柩、カーテンの三作と共に、私のベスト・ポワロになりそうです。