地方再生のレシピ ~食から始まる日本の豊かさ再発見~ の感想

この店にかかわる生産者の絆は深く、そして信頼は厚く、
いつも最上の食材が届けられます……。

心が熱くなる、食による地域活性の実践レシピ。
著者の奥田シェフは
「生命力にあふれた庄内の食材を、最短距離でお客様に召し上がっていただく」志に燃えて
資本金１５０万円で立ち上げた片田舎のレストランを
世界中から客が押し寄せる名店に育んだ。

決まったメニューはなく、
毎朝、集まって来た食材を見わたしてから組み立てる。
「後藤勝利さんの藤沢カブを使った
『藤沢カブと山伏ポークの焼畑風』」など、
きょう、ここ限りの一期一会料理たち。
これしかない、という食材や生産者と出合うまでの
さまざまなエピソードや心の軌跡も、詳しく語られている。
水も「鳥海山の超軟水」「月山山系の軟水」「飯豊山の中硬水」などを
料理によって使い分けるという。

「食材を育んだ自然を敬い
心血を注いできた生産者の
思いを受け止めて
そうして料理に取り掛かると
食材たちはどんなふうに扱って
ほしいかを伝えてくれる

私はその声を聴いて
食材のしてほしいことをする

新たな命を吹き込まれた料理は
食べた人の口の中で喋りだす」という
奥田シェフのメッセージに、背筋が伸びる。
支える人々の輪の力強さにも。

日本も日本人もすごい。
豊かで、繊細で、志に向かってガッチリ団結する。

政府はグローバルにばかり
気をとられているけど
ローカルに深く根ざして
世界を呼び寄せてる
奥田シェフに学んだ方がいい。