日本で100年、生きてきて (朝日新書) の感想

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参照データ

タイトル日本で100年、生きてきて (朝日新書)
発売日2015-07-13
製作者むのたけじ
販売元朝日新聞出版
JANコード9784022736239
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 人生論・教訓

購入者の感想

朝日新聞東北六県に配信されている、むのたけじの連載「再思三考」(2009~2015年)を一冊にしたもの。とても読みやすい。語っていることはあいかわらずラディカルだが、語りかたがやわらかい。悟りすましたりせず、そこの若いの、一緒に考えようぜ、というスタンス。100歳にしてこういうみずみずしい語りが可能なんだと驚かされる。
なにしろ「おれなんか70歳より80歳、80歳より90歳と、ますます頭よくなってきたもの」というのだからおそれいる。笑いをとろうとして言っているのではなく、本気でいっているところがすごい。
決断の人だ。
「私は敗戦の日に朝日新聞をやめた。『負け戦』を『勝ち戦』とウソの記事を書いて読者に届けてきた責任を取らなければならないと思ったからです。」
故郷の秋田県横手市に帰って、1948年からたった一人の新聞『たいまつ』を創刊する。
1978年に、30年間・780号まで続けた『たいまつ』を、とつぜん休刊。
「30年続けてきて、現実に日本社会を変える力が欠けているのではないかという疑問が高まった」として、781号の原稿を印刷所に届けなかった。(2015年8月13日、朝日新聞デジタル版)
むのは「アラブの春」や、金曜夜の国会前デモを、人類史上初めての試みと絶賛する。特別なリーダー、特定のグループが引っぱているのではなく、個人が声をあげてつながっていく運動スタイルに、強く共感する。「人類の歴史が折り返し点にきているんだ。…いよいよ新しい人類史のはじまりですよ」とまで昂揚する100歳老。
「新しい人類史のはじまり」を説く大先輩に、遠く、隅っこのほうから、小さな声で、乾杯。

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