MILITARY CLASSICS (ミリタリー・クラシックス) 2015年6月号 の感想

アニメ「艦これ」ではヒロイン吹雪に対して周りの艦娘たちが何かと、”特型駆逐艦”と呼んでいたが、第一特集はその「特型駆逐艦」をとりあげる。
吹雪に始まり数々の殊勲艦を産んだ同シリーズについて、建造経緯・特徴・武装・諸元・各艦の特徴・全24隻の紹介・戦歴・他国の駆逐艦との比較と手際よく語られていく。
艦型や武装や諸設備のイラスト等も多く、本誌にしては写真も多い特集記事になっている。
イラストページでは”爆雷”がとりあげられ、戦闘機の機銃掃射で爆沈したとされる”如月”の件も触れるられる。

第2特集はドイツ空軍が大戦末期に送り出した夜間戦闘機ウーフー。
細身の双発の機体で、機首に特異なレーダーアンテナを搭載した、ここまでの戦闘機とは別次元の領域に達したような魅力的なデザインの機体だが、どうしてこのような機種が開発され、どのように活躍したのか・・・(実は生産機数は300機に満たなかったという）。
太平洋戦線とは異なり、欧州戦線側では双発爆撃機の改造型から始まった夜間戦闘機という機種が際立って発展していったが、それはどのような背景があったのか・・・。
各国の夜間戦闘機との比較ページがあるが、案の定というか、日本海軍の「月光」あたりは足元にも及ばなかったことがありありとわかる。

特別ページとしてシブヤン海で発見された「武蔵」が急遽取り上げられ、今回発見された「大和」との相違などイラストを交えて紹介される。
また本誌にしては珍しく付録が付く。日本海軍の「鳳翔」からはじまる航空母艦・水上機母艦が網羅された小冊子になっている。特に、上面図・側面図や諸元がまとめられており、艦娘たちの・・もとい各艦を一覧できる最適な良資料になっている(艦艇を紹介している書物・記事は多いが、諸元の細かなところまで同一の規格の中できちんと説明した資料はありそうでないんですよね）。ちなみに「秋津洲」も紹介されていますよ(けっこう珍しい)。