沖縄の米軍基地 ─「県外移設」を考える (集英社新書) の感想

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タイトル沖縄の米軍基地 ─「県外移設」を考える (集英社新書)
発売日2015-06-17
製作者高橋 哲哉
販売元集英社
JANコード9784087207903
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 軍事入門

購入者の感想

沖縄に米軍基地が集中している理由や、
本土への基地移設が進まないことの背景などが、
多くの資料や言説により、丁寧に解き明かされた本である。
安保体制の堅持を日本人の大半が支持している以上、
本来、日本全土で米軍基地を負担すべき、という著者の主張は、
明快で、わかりやすい。

基地負担の裏で、沖縄がさまざまな利権を得ているとの主張もあるが、
翁長現沖縄県知事が新聞のインタビューで、
「経済援助も、税制の優遇措置もいらないから、米軍基地を本土で引き取ってほしい」
と言っているのなら、それもひとつの見識だと思う。
また、反戦平和主義者が、米軍そのものの撤退を求めていることが、
かえって沖縄の基地負担軽減を阻害しているという著者の意見も、大変興味深い。

沖縄の人の言う「シランフーナー(知らんふり)の暴力」に、
そろそろ、日本人全体が真剣に向き合わなければいけない時期にきていると感じる。
その意味で、指針となる一冊である。

ただ、読んでいて違和感を覚えたのが、
ここに登場する沖縄や本土の人の主張が、すべて出版物などからの引用であり、
著者が沖縄の人の声を直接聞いた様子が、まるで見られないことである。
沖縄に寄り添う内容となっているにもかかわらず、
このことにより、本書も沖縄との微妙な距離が感じられてならない。
学者の書いた本とはこういうもの、と言ってしまえばそれまでだが、
熱は感じられても、体温が感じられないことが、残念である。

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