CD付 日本語で覚えるネイティブの英語発音 の感想

※サンプル画像 クリックで拡大します

いわゆる「堀った芋いじるな」のオンパレードかと思いきや、本格的な英語の発音を音声学の理論に基づいて整理し、体系的、かつ分かりやすく説明してあることに感激しました。びっくりです。　これまで、英語の発音に関する本はいろいろと試してきたのですが、いくらDVDを見たりCDを聞いても分からなかったことが、１ページごとにまとめてある、「発音のコツ」や音声学の理論に基づいたワンポイント解説ですっきりしました。　

発音についても、母音、子音すべての発音をカバーしているだけでなく、それぞれの音についての説明が、簡潔な割に、とても深いです。Rの発音など、舌を後ろに引くことばかりを気にしていましたが、Rから始まる音は、ウというように唇を少し突き出してから発音をすれば、勝手に舌が後ろに下がって、ちゃんと発音できること、発音記号では[l]としか表記されないLの発音にも種類があることを初めて知りました。確かに、語末や語中にLが来る場合、mileは、マイウ、milkは、メウクというように、舌先を意識するのではなく、唇を少しすぼめるようにすれば、自然な感じの発音になります。　ほかにも、Tの発音の種類なども、わかりやすく解説してあり、これまで、こうした違いは見当もつきませんでした。　カタカナでの表記も、太字、細字、小文字などと３段階表記にしてあったり、組み合わせで表記してあったりと、ここまで極めると、何だか新たな発音記号という感じがします。ヒントとして併記されている「あ、いかん！」「揚げ豆腐」など、この本が、他にも日本語をふんだんに使って解説しているのは、自然な英語の発音の手がかりを、分かりやすく与えるためなのだと、心底、納得しました。

発音と、綴りの関係を説明してある点も素晴らしいです。こうした関係が分かれば、語彙も増やせるし、知らない単語でも発音を想像できるようになるのではないかと思います。

CDも最高です。テキスト中に出てくる発音を練習しようと思ったら、一日ごとに、その日練習する内容について簡単な解説があり、テキストだけでは分からないところを補ってくれます。家康から、Yesへと抑揚をつけて変化させていくところなど、「こんなのありなんだ」と、笑っちゃいましたけど、へーなるほどね、という内容が満載です。