入門刑事手続法 第6版 の感想

読者の嗜好次第というところもありますが、本書はこと初心者（つまり小生の
ことですが）にとって、大変良い導入書となると思います。
具体的には、以下の点です。
・細部の学説対立などに拘泥せず、公判手続きの流れを優先して理解するための内容に
　なっていると思われること。
・流れの良い記載の中で、関連する定義や判例などが明瞭かつ簡潔に提示されていること。
・文書自体も徒に難しくなく、かつ随所に盛込まれる図表や書式例が内容の理解に極めて
　有意・有効であること。
・本文各頁の左脇に関連する条文や規則の条文番号が識別し易く明示され、条文検索が
　容易であること。
著者によると本書の目指すところは、刑事訴訟法の学習について、「本格的な取り組みに
先立って、まず流れに沿った刑事手続の概略と大まかな実態をしっかりおさえ」ることで、
「次に法解釈、判例分析、運用評価、・・・に進む」為の前段階を担うことだとしています。
上記の著者の目的が、十分に伝わる一冊だと思います。