第五の権力---Googleには見えている未来 の感想

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参照データ

タイトル第五の権力---Googleには見えている未来
発売日販売日未定
製作者エリック・シュミット
販売元ダイヤモンド社
JANコード9784478017883
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » IT » 情報社会

購入者の感想

行政、立法、司法に報道を加えて四権として、今後さらに増えるインターネットにつながった人たちを
第五の権力といってみたのが本書。ですが、原著どおりNew Digital Ageのほうがしっくりきます。
これからのよりコネクティビティをもった世界についてが書かれていて、権力っていうかパワー?みたいな。
まぁ個人の言葉に対する受け止め方次第でしょうけども。パワーでもしっくり来ませんし。

「シュミットが訪れたのは初めてで、コーエンにとってはもう何度目か分からないほどであった」みたいな文があり、
誰が本書を書いてるの?と不安になりました。少なくとも翻訳者のように「にわかに信じられないが、
Google会長が言うなら間違いない」というにも、そこは会長が言ったの?ってなります。原書でもそうです。
そんな感じなので、本をめくると最初に大きい字で偉そうなことが書いてあって非常に気持ち悪かったです。
「コネクティビティが高まるとこうなる"だろう”。そしてこれはこうなり、あれはそうなる。」
という感じの書き方なので、読むのは少しだるかったです。

とはいえ、世界の未来をここまで考えることはないので、全体的には非常にエキサイティングでした。
・胃の中にチップを入れて体温や脈拍を測るのがFDA承認された
・政府がネットを遮断したら今まで興味もってなかったヤツまで怒らせた
・スマホは電源切ってても少し通信できちゃう
・一軒だけネットに繋がってなくて怪しまれる
・軍用機の三割が無人機
とか細かいところが面白かったです。

ただ、あくまで海外の方が言っていることなので、日本人から見ると、果たしてそうかな?って思う箇所も結構あります。
血が流れると視聴率が上がる、みたいなことが書いてあった気がするんですが、日本は多分違いますよね。
戦争、紛争に関する意識がとても低く、痛みを感じる動画は自粛されている感じがするので。
そういう動画が拡散して、民衆の怒りが云々というのも考えにくい。

実際に本を手にとってみると、装丁の面では780円くらいの本にしかみえませんね。普通なら、これで1900円もとるようなものかと怒り出す人も出るところでしょうが、私は内容が良いのなら、別にそれでもかまわないです。でも遠慮なく言えば、内容の方は残念ながらもっとスカスカだと感じました。

グーグルのシンクタンクであるGoogle Ideasの所長との共著なわけですが、まず、どこからどこまでが本人の言葉なのかが、まるではっきりしない。
文体から判断する限りでは、冒頭からネットの概況について、ほぼ当たり前の事だけを、最近のライターに特有のノウハウが散見されるくどい文体で、長々と語っており、経営者の言葉にはとても聞こえません。こうした、精神的に幼い文体は、最後までほぼ一貫しているので、実質的にはシンクタンクを任せてる若い共著者の著作だと見られても仕方がありませんね。
よくて会長がチョイチョイ口を挟んだというところでしょうが、他で聞けなかったような興味深い情報や、目からウロコの発想というのもまるで皆無なので、それさえ怪しく、ひょっとすると、実はこの共著者単独の著作であるかすら疑問です。さらに下請けの複数のライターが分担してまとめた内容を、会長とシンクタンクトップの名前で出してみた、極めてずぼらな企画のように私は感じました。これなら、対談本の方が良かった気がします。何かのプロパガンダのつもりなのでしょうが、今の出版不況の時期に、こんなふざけた事を、この価格設定で平然と行うのはいかにもグーグルらしい話です。本屋では、取次の指示で、平積みにされていました。

要人の著書がゴーストライターの手によるものだった例は、フーバーの回顧録(部下のサリヴァンが書いたと自白)や、ゴルバチョフの「ペレストレイカ」(配下の官僚の手になる)をはじめ数多く、別にそれを一々とがめだてするほど野暮ではないつもりです。
しかし、ゴーストライター本だって、例えば吉田茂の「世界と日本」に収録されている安全保障関係の論文(すべて加瀬俊一国連大使が執筆)など、質的には本人が書いた以上の出来のものもあります

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