Hackers の感想

センスのないストレートな題名でひいてしまうが、内容は至極真っ当な直球勝負のアンソロジー。サイバーパンクの有名作品がずらりと並んでおり、良くも悪くも、あまりひねっていない。ギブスン「クローム襲撃」「ドッグファイト」スターリング「われらが神経チェルノブイリ」マコーリイ「遺伝子戦争」ベア「タンジェント」・・・別にこの本でなくても読めそうなラインナップ（笑）。しかし本書は、むしろ新訳作品の中に収穫が多い。中でもジャコブロフ「死ぬ権利」ドーシイ「マシン・セックス」は大傑作。スティーヴンスンの短編も（凡作だが）珍しいので良し。なかなか読みごたえのある一冊でした。それにしても、「タンジェント」までハッカー小説とはねえ・・・。