アニメーションの本―動く絵を描く基礎知識と作画の実際 の感想

　内容
1.アニメーションとは何か
2.アニメーションのできるまで
3.アニメートの基礎知識
4.作画の実際
5.動きの実例
6.アニメーターになろうとする君に
7.アニメーションの知識

　本書は7つの章からなり、平易な文章とたくさんのイラストを用いてアニメーションの技術や知識などについて解説した本です。
　たとえば「アニメートの基礎知識」の章では、慣性の法則や物体の落下、中割り、遠近法などについて、「作画の実際」の章では《赤ずきん》の実作として、キャラクター設計図、背景設定、絵コンテ、作画などがイラストや実際の絵コンテを使って説明されています。
　また、「動きの実例」の章では、人間の歩きや走り、椅子から立ち上がる動作、馬、犬、猫の歩きと走り、ライオン、牛、象の歩行、鳥の飛行、水滴、火、煙などの運動がコマ送りのイラストで掲載されています。
　ほとんどの章において、多くの資料とイラストをもとに丁寧な解説がなされているので、アニメーションの技術や制作について知りたい方にたいへん役立つ本です。
　巻末の「アニメーターになろうとする君に」では、日本のアニメーション界に大きな功績を残した森康二のインタビューが載っていますが、アニメーター志望の人へ向けて、アニメーション制作における苦しみと喜びが率直な言葉で語られており、私は胸を打たれました。