新美南吉童話集―心に残るロングセラー名作10話 の感想
参照データ
タイトル | 新美南吉童話集―心に残るロングセラー名作10話 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 新美 南吉 |
販売元 | 世界文化社 |
JANコード | 9784418048076 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
《新美南吉関連の本は校本全集をはじめとして研究用のものが多いので、子どもの鑑賞にこの一冊といえるようなものを目指し、かつ大人も楽しめるよう》とのコンセプトはとても素晴らしいし、精選された代表作も申し分ありません。
ですが、絵本の要素はまったくなく、文字の羅列、頭注などが気になり南吉の描いたやわらかな世界が表現されておらず、とても残念です。
元々絵本ではなく童話だったといってしまえばそれまでですが、南吉の作品を長く愛読してもらうには美しい絵との相乗効果は必須だと思います。
そして更に失望したのは北川氏による作品解説です。童話が書かれた背景などの紹介を期待していたのですが、個人的見解が目につき、特に“ごんぎつね”のラストシーンの解釈に
「私は個体の死後の個性存続を信じません。死ねばその個体はおわり、あとは生きてるものが死を悼む気持ちになるだけです。」
との死生観の押しつけはとても不快でした。悲しい結末をどう解釈するかは読む人それぞれの心にゆだねるべきだと思います。同じ作品にふれても、そのときの年齢、状況で自分自身の中でも感じ方は変化するものなのですから。
ですが、絵本の要素はまったくなく、文字の羅列、頭注などが気になり南吉の描いたやわらかな世界が表現されておらず、とても残念です。
元々絵本ではなく童話だったといってしまえばそれまでですが、南吉の作品を長く愛読してもらうには美しい絵との相乗効果は必須だと思います。
そして更に失望したのは北川氏による作品解説です。童話が書かれた背景などの紹介を期待していたのですが、個人的見解が目につき、特に“ごんぎつね”のラストシーンの解釈に
「私は個体の死後の個性存続を信じません。死ねばその個体はおわり、あとは生きてるものが死を悼む気持ちになるだけです。」
との死生観の押しつけはとても不快でした。悲しい結末をどう解釈するかは読む人それぞれの心にゆだねるべきだと思います。同じ作品にふれても、そのときの年齢、状況で自分自身の中でも感じ方は変化するものなのですから。