ローン・サバイバー [Blu-ray] の感想

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2005年に実際に起こったレッドウィング作戦を基にした本作。

戦闘シーンや断崖を転がり落ちながらも逃げる様子などは映画とあって若干過度に描かれてはいますが、ストーリー展開としては断崖を下りながら敵から必死に逃げるだけと言う事実に沿った内容に仕上がっていると思います。

過度な銃撃戦や滑落シーンを見ていると、『あぁ映画を観てるんだな』と思っていたのですが、エンドロールに実際に戦死した兵士たちの生前の写真や動画が流れるのですがそれを見た途端に、この人たちが体験した『壮絶な真実』なのであると実感させられました。

特に、救出後回復してしばらくしてから会いに行き撮ったと思われる、マーカスを救ってくれたアフガニスタン人のムハンマド・グーラーブとマーカスの二人が写る写真を見て涙が溢れました。

同じアフガニスタン人ではあるがテロ組織タリバンを憎むグーラーブ氏やその村の一族のような人たちも存在する。
同じ国の中でも争いは起きている。アメリカは嫌いだけどテロ組織にも賛同せず人道的観念から自分達が危険に瀕してまで弱者を助けてくれる人たちもいる。

今もなお世界で起こっている戦争地帯、紛争地帯もきっと同じなんだと思う。そう思いたい。
同じ人間同士でなぜ命を奪い合い争わなければならないのか、決して簡単な道のりではないがこの映画のように人と人は助け合うこともきっとできるはず…
そんなことをとても深く感じさせ、そして考えさせられる作品になっています。

映画はエンターテイメントや金儲けと思われがちですが、このように史実を伝え平和への道を問いかける重要なツールとして今後も是非ともこのような素晴らしい映画が他にも世に出てくる事を切に願います。

シールズ最大の悲劇と言われるレッドウイング作戦を描いた映画です。確かに戦争の悲惨さを思い知らされる映画なのですが、その時の判断について考えさせられます。シールズ隊員たちはあの時に羊飼いを解放しなければとか、護衛も付けずに多くの隊員を率いて救出に向かった大佐の判断は正しかったのかとか…。もし自分ならどうしたかとか。こんな極限の状態でなくとも私たちの日常は判断の連続です。その時、正しい判断を下せられるのか考えさせられます。