葛飾北斎 萬福和合神 (浮世絵春画リ・クリエイト版) の感想

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参照データ

タイトル葛飾北斎 萬福和合神 (浮世絵春画リ・クリエイト版)
発売日販売日未定
製作者葛飾北斎
販売元木楽舎
JANコード9784863240780
カテゴリジャンル別 » アート・建築・デザイン » 日本の伝統文化 » 浮世絵・絵巻物

購入者の感想

『萬福和合神』は春画の本ではありますが、いやらしいと言うよりはむしろバカです。
春画本としては珍しく、全編にわたって一つのストーリーが展開されるのですが、絵はもちろん文も葛飾北斎の作であると考えられています。この文章が全く格調高く無く、しょうもないストーリーで笑えます。

本書では場面ごとに解説と現代語訳が付いており、春画も浮世絵も知らなくても充分楽しめます。さらに巻末に全文の読み下し文が付いているのが素晴らしいです。この心からくだらない文章の面白さは原文でないと味わえません。
例えば朝晩しっぱなしの貧乏夫婦の描写
「寒いとてはしがみつき、ひもじいとては口を吸い、冬も裸の汗仕事、無ければ食わぬ上の口、食わねばならぬ下の口、
口と口とは合わせても、合わぬは世帯の繰り回し、晩の夜食にゃぼぼしよじゃないか、わしもその気でまま炊かぬ」
「ぼぼ」とはつまりアレです。まさしく声に出して読みたい日本語と言えます。
できればもう少し小ネタの解説が欲しいところです。例えば主人公二人の名前「おさね」「おつび」両者の母親「おすけ」「おさせ」などの意味が分かると、よりバカバカしさを堪能できると思います。一応意味を描いておくと順番に「陰核」「陰門」「スケベ」「おサセ」となります。

少々気になった点もあります。
「気が悪い」をそのまま「気分が悪い」と現代語訳している部分がいくつか見受けられますが、講談社学術文庫『江戸語の辞典』によりますと「気が悪い①欲望をそそられていやな感じだ②特に、情欲が起こって妙な気分である。みだらな気になる。」だそうです。こちらの方向性で訳したほうが適切かと思います。春画の登場人物は気持ち良くなる事はあっても、悪くなる事は余り無いですし。
原文に複数箇所「くじる」とあるところを「弄る」と読み下しています。原文を見る限り明らかに「い」ではなく「く」です。前掲書によりますと「くじる【抉る】穴に指を入れてえぐる。」だそうです。こちらの方がすんなり意味が通ります。
他にも中巻四図の現代語訳に「おんなけつ」とありますが、前後の七五調の文章から考えて「ぼぼとけつとの両面女、けつの響きでぼぼで気がゆき」で分けた方が自然ではないでしょうか。

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