建築家、走る (新潮文庫) の感想
参照データ
タイトル | 建築家、走る (新潮文庫) |
発売日 | 2015-08-28 |
製作者 | 隈 研吾 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784101200361 |
カテゴリ | アート・建築・デザイン » 画家・写真家・建築家 » 建築家・様式 » その他 |
購入者の感想
本書は、建築家隈研吾氏の仕事ぶり、建築に関する姿勢・思想を率直に綴った本です。
(1) まず驚くのは、著者の多忙ぶりです。「第1章 世界を駆け回る」では、日々、世界の国々を駆け回って仕事をする氏の仕事ぶり、暮らしぶりを紹介しています。また、中国人、フランス人、ユダヤ人、ロシア人の建築に対する考え方や仕事の進め方について、興味深い内容が記述されています。
(2) 「第2章 歌舞伎座という挑戦」では、手がけた第4代目の歌舞伎座について、第1代〜第3代建築との関わり、歌舞伎と歌舞伎座が生み出す東京の街中での「祝祭空間」について、著者の考え方を述べています。
(3) そして、第3章〜第6章では、著者が建築家としてどのような人生を歩んできたかを記述しながら、著者の建築に対する姿勢・思想を記述しています。また、著者が設計した建築を複数取り上げて、具体的に紹介しています。
建築家隈研吾を理解するために、この部分は非常の有益であり、私は「なるほど、隈研吾はこんな建築家だったのか」と得心できました。
私は、コンクリートやガラスばかりの無機質な20世紀建築に疑問を感じていましたので、著者の「地形、地域、人々や文化に根差した建築」、「石や木材など自然で質感のある建築素材の活用」、「時とともに移ろい、自然や死を感じさせる建築」などの考え方に共感しました。そして、建築について改めて考えるきっかけとなりました。
本書は、生活の雑感を記述した軽いエッセイのような本ではなく、全編、著者の建築に対する姿勢・思想を記述したとても生真面目な本です。多忙な合間に取りまとめた本ですが、全然手を抜いた部分がなく、内容の濃い本です。
お勧めできる本と思います。
(1) まず驚くのは、著者の多忙ぶりです。「第1章 世界を駆け回る」では、日々、世界の国々を駆け回って仕事をする氏の仕事ぶり、暮らしぶりを紹介しています。また、中国人、フランス人、ユダヤ人、ロシア人の建築に対する考え方や仕事の進め方について、興味深い内容が記述されています。
(2) 「第2章 歌舞伎座という挑戦」では、手がけた第4代目の歌舞伎座について、第1代〜第3代建築との関わり、歌舞伎と歌舞伎座が生み出す東京の街中での「祝祭空間」について、著者の考え方を述べています。
(3) そして、第3章〜第6章では、著者が建築家としてどのような人生を歩んできたかを記述しながら、著者の建築に対する姿勢・思想を記述しています。また、著者が設計した建築を複数取り上げて、具体的に紹介しています。
建築家隈研吾を理解するために、この部分は非常の有益であり、私は「なるほど、隈研吾はこんな建築家だったのか」と得心できました。
私は、コンクリートやガラスばかりの無機質な20世紀建築に疑問を感じていましたので、著者の「地形、地域、人々や文化に根差した建築」、「石や木材など自然で質感のある建築素材の活用」、「時とともに移ろい、自然や死を感じさせる建築」などの考え方に共感しました。そして、建築について改めて考えるきっかけとなりました。
本書は、生活の雑感を記述した軽いエッセイのような本ではなく、全編、著者の建築に対する姿勢・思想を記述したとても生真面目な本です。多忙な合間に取りまとめた本ですが、全然手を抜いた部分がなく、内容の濃い本です。
お勧めできる本と思います。