運は創るもの ―私の履歴書 の感想

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タイトル運は創るもの ―私の履歴書
発売日販売日未定
製作者似鳥 昭雄
販売元日本経済新聞出版社
JANコード9784532320218
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » ビジネス人物伝

購入者の感想

「ニトリ」創業者、似鳥昭雄さんの一代記であり、また「ニトリ」企業理念とその成り立ちを明文化した経営書でもあります。
「ニトリ」の店にまだ行ったことがない人、また製造小売業という事業形態に関心が低い人でも、読み物としてじゅうぶん楽しむことが出来ます。
この本はまず、似鳥昭雄さんのつらい生い立ち、そして無軌道としか言いようのない青春記から始まります。
似鳥さんは今やニトリグループを率いる立派な経営者なのですが、そんな肩書イメージを自ら粉みじんに打ち砕く、現代っ子の常識からかけ離れた回想記に呆れ果ててしまいます。
次に展開されるのは、札幌の片隅で創業した似鳥家具店が、天下に冠たる「ニトリ」に成長するに至るまでの、悪戦苦闘です。
ひとことで言えば、「小さな成功のあとに大きな危機を迎え、それを乗り越えることによってニトリが成長していく」のですが、成功、失敗、危機それぞれのエピソードは、わたしのような凡庸人の想像の域を超える内容で、これまた似鳥さんの語り口に惹きこまれてしまいます。
とりわけ興味深かったのは、現代風に言えば「コンプライアンス違反」の従業員や経営幹部に会社のイニシアチブを奪われそうになったり、金融危機によって取引先銀行と幹事証券会社ともども経営破たんに陥り、危うくニトリも足元をすくわれそうになったりするあたりです。
でも、この書はただの成功譚、あるいは「つらかったけれど今となっては良き思い出」という話だけが語られているのではありません。大きく成長を遂げた企業の創業家特有の、つらい内訌についても、触れられています。こういう「影のある話」まで、創業者自ら言及している自叙伝は珍しいのではないかと思います。
この本のもうひとつの側面は、「ニトリ」経営のエッセンスを披歴する経営書です。
ニトリが大きな企業に成長してからも、トライ&エラー、そして自己革新を繰り返し、企業としての活気を失わないのはなぜか、という理由が似鳥さんの視点から語られています。製造小売業という、経営者みずから商品と消費者に接しなければマネジメントできない業態なので、採りあげられている話は具体的で分かり易く、読者を最後の1ページまで惹きつけてくれます。

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