2014 長谷川慶太郎の大局を読む (一般書) の感想

僕は政治経済学部の学生だ。卒業論文は「経済予想の難しさ」をテーマに書く ことにしている。そのために著名な識者による経済予想本をたくさん読み、それが当たったのか外れたのかを検証している。

僕は経済予想本のレビューを結果も出ていないうちから書くのは愚かな行為だ と思っている。発刊から１年、２年経って結果が出てからレビューを書くのが適当であると考えるからだ。
５冊目は長谷川慶太郎の「2014大局を読む」（2013年9月出版）だ。重要なポイントは次のとおりだ。

アメリカ
・先進国で唯一人口が増え、雇用が着実に回復している。
・シェールガスがアメリカ経済の復活をけん引する。
日本
・消費税増税は必ず実施される。
・アベノミクスは成功する。
・今後６年は政治的無風の中で改革が進む。
中国
・政権崩壊と経済崩壊に向かう。
・人民解放軍が反乱を起こせば、７大軍区ごとに７つの独立国に分裂する。
ヨーロッパ
・経済は停滞するが、それなりに安定してくる。
・フランスが弱体化する一方で、ドイツの力が強まる。

今現在どうなっているかというと、アメリカとヨーロッパについては当たっている。日本はアベノミクスが成功しているとはとても言えず、中国が崩壊するのかどうかもはっきりしない。総合的に見て、合格点とも落第点 とも言えない。

ただ論文を書く上で、長谷川氏はいろいろな資料を与えてくれる。感謝してい る。

去年は大外しだった同シリーズだが、特にロムニーがオバマに勝つという大ポカは痛かった。
今年は当たるように期待してる。