明治日本の産業革命遺産 (ワニブックスPLUS新書) の感想

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参照データ

タイトル明治日本の産業革命遺産 (ワニブックスPLUS新書)
発売日販売日未定
製作者柳澤 伊佐男
販売元ワニブックス
JANコード9784847065644
カテゴリジャンル別 » 歴史・地理 » 日本史 » 明治・大正

購入者の感想

明治日本の産業革命遺産については、一部の施設での韓国人の強制労働問題で韓国と揉めに揉め続けた挙句、世界遺産委員会での審議日が1日延び、当日までどういう結果になるか全く分からないという異例の事態となった。当時はマスコミの報道も国民の関心も、そうした推移を巡るもの一色の観があり、産業革命遺産が8県23資産にもわたる広範なものであったことも相俟って、騒がれた割には、我々国民が一つひとつの資産についての詳細を知る機会は、全くといっていいほどなかったような気がする。 

そんな訳で、本書の発売を知って早速読んでみることにしたのだが、第一章で世界遺産についての基礎知識を学んだ後、第二章で世界遺産登録までの道のりと、各資産の概要を解説している。

第二章の前段については、2006年の当初提案で、九州・山口地方の6県13資産でスタートしたものが、幾度にもわたる構成資産の追加・除外など課題・問題点の見直しや、推薦候補選定に至る政治裁定などの紆余曲折を経て、世界遺産に登録されるまでの興味深い経緯が詳細に語られている。 

後段については、「構成資産をひとつにつなげて眺めてみると、幕末から明治時代にかけての極めて短い期間に、西欧諸国以外では初めて、工業の近代化、産業化を成し遂げたことを示しているストーリーが理解できる」という23の構成資産についての概要とともに、それらを産業別・時代別に分類している。率直にいって、産業革命遺産に、萩城下町、旧グラバー住宅が入っているのは、コンセプト的にどうなのかなとは思ってしまうが、それはさておき、各資産の概要が、期待に反して1資産当たり2~9行というのは、あまりにもシンプル過ぎる。

このうち、端島炭坑(軍艦島)だけは第三章を起こして上陸体験記を交えて詳述しているが、軍艦島は、もともと誰もが知っているといっても過言ではないくらい知名度が高いのに対し、他の資産の大半は、世界遺産への登録を通して初めて知った人がほとんどといってもいいくらい知名度が低い。そうした資産こそ、今後現地を訪れようとする人のガイド本になるくらいに、もっとページ数を割いて紹介すべきではなかったかとは思ってしまう。

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