私たちはなぜ税金を納めるのか: 租税の経済思想史 (新潮選書) の感想
参照データ
タイトル | 私たちはなぜ税金を納めるのか: 租税の経済思想史 (新潮選書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 諸富 徹 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784106037276 |
カテゴリ | 社会・政治 » 法律 » ビジネスの法律 » 税法 |
購入者の感想
租税の観点からみる経済思想史ということで、
第1章は市民革命期のイギリスでの社会契約に基づく「権利」としての税思想、
第2章は19世紀ドイツ財政学における「義務」としての税思想、
第3・4章で公平課税を求めたアメリカの所得税制、ニューディール期の「政策手段」としてのアメリカの税制、
という形で歴史が整理され、
第5・6章で、今話題のEU金融取引税と近未来の税制について論じておられます。
従前日本では、イギリス、ドイツの税制については比較的よく論じられてきましたが、
アメリカの税制について本格的に取り上げて整理されている点で画期的な一冊。
加えて、税と切っても切れない国家の存在を越えた企業活動に対する税制の行方についても
意欲的に論じられています。
国家は税なしに存続しえない、
にもかかわらず、タックス・ヘイブンに代表される経済のグローバル化、
金融工学による投機的な金融経済の進展に、
もはや国家レベルの税制は追いついていけない。
税制のあり方は私たちの社会を左右する重要問題であり、
世界の税制四百年史から現代社会を問い直すこれだけ高度な内容が、
専門家でない私にとっても本当に読みやすい文章でつづられている。
第1章は市民革命期のイギリスでの社会契約に基づく「権利」としての税思想、
第2章は19世紀ドイツ財政学における「義務」としての税思想、
第3・4章で公平課税を求めたアメリカの所得税制、ニューディール期の「政策手段」としてのアメリカの税制、
という形で歴史が整理され、
第5・6章で、今話題のEU金融取引税と近未来の税制について論じておられます。
従前日本では、イギリス、ドイツの税制については比較的よく論じられてきましたが、
アメリカの税制について本格的に取り上げて整理されている点で画期的な一冊。
加えて、税と切っても切れない国家の存在を越えた企業活動に対する税制の行方についても
意欲的に論じられています。
国家は税なしに存続しえない、
にもかかわらず、タックス・ヘイブンに代表される経済のグローバル化、
金融工学による投機的な金融経済の進展に、
もはや国家レベルの税制は追いついていけない。
税制のあり方は私たちの社会を左右する重要問題であり、
世界の税制四百年史から現代社会を問い直すこれだけ高度な内容が、
専門家でない私にとっても本当に読みやすい文章でつづられている。