キュレーション 知と感性を揺さぶる力 (集英社新書) の感想

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参照データ

タイトルキュレーション 知と感性を揺さぶる力 (集英社新書)
発売日2013-02-15
製作者長谷川 祐子
販売元集英社
JANコード9784087206807
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 女性学 » ジェンダー

購入者の感想

「東京都現代美術館チーフキュレータの語るキュレーションの“本質”」
著者:長谷川祐子(京都大学法学部卒、多摩美術大学芸術学科教授)
(2013.2.20 第1刷発行)

自分が読んだ長谷川さんの本は本書で確か2冊目になる(『「なぜ?」から始める現代アート、NHK出版、2011年)
書いてあることは基本的に上記『なぜ?から~』とほとんど同じ。
自分は東京都現代美術館によく行くので、常設展で展示されているのを見たことがある作品も多く本書には登場するので嬉しく、知見が深まる。

「キュレーション」という立場から見ると、「8章 物議をかもした展覧会」で登場するナチスドイツが開催した『退廃芸術展』が興味深い。
ここまでアートで大衆を洗脳し、否定、排斥する“キュレーション”もあっただろうか(皮肉にも、それはそれで“アート”的で見てみたい)

ただ、最近読んで感銘を受けた『美術館へ行こう』(草薙奈津子、岩波書店、2013年)と比べてしまうと、分かりづらさが目立つ。
折角、素晴らしい思考があるのに、これを馴染みのない横文字オンパレードで書いてしまうから、「アートは難しい」と思われるのだろう。

───住民との説明会で、「皆さんもアートの風景の一部になるのです」と話すと、そのようなキレイな展示室が近所にできてアートが展示されるのならば、自分たちも外に出るときキレイな格好でいなければならないのでしょうか?という質問があった。つまりアートはキレイで特別なもの、非日常的なハレのものであるという先入観がある。これに対して、いつも以上に普段着でいらしてください、日常の中にある美しさやたたずまいをハイライトするためにアートやこの施設があります、と答えた。(p.101)

2014/08(13/117)★3.6

世界的に活躍する売れっ子キュレーター、長谷川祐子が、自らの豊富な経験をもとに、キュレーターの仕事内容、現代アートの最前線を紹介する。
長谷川は、キュレーターの仕事について、視覚芸術を解釈し、これに添って、芸術を再度プレゼンテーションすること、と定義している。
作品の作成者がまだ生きている場合、キュレーターは、その作家とのコミュニケーションを通じて、展覧会をいっしょに作り上げていく。
話題はアートだけに止まらず、美術館と社会との関係、グローバリゼーション、ジェンダーなどにも及ぶ。それは、現代アートが、そうした分野をテーマにしていることを意味している。
12の章から構成されているが、長谷川は、おそらく、それぞれを1つのアート作品として捉え、本の上で、展覧会をキュレーションしようと意図したに違いない。0

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