ザ・セカンド・マシン・エイジ の感想

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参照データ

タイトルザ・セカンド・マシン・エイジ
発売日販売日未定
製作者エリック・ブリニョルフソン(Erik Brynjolfsson)
販売元日経BP社
JANコード9784822250997
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 労働問題

購入者の感想

同じ著者たちによる『機械との競争』の内容をより具体的に肉付けをして一冊の著作にしたもの。現在、デジタル技術の進歩によって世界で生じている革命的な変化、そして近未来の人間と機械の関係性を理解する上で、非常に示唆に富む一冊。刺激的でたいへんに読みごたえがあった。名著と言ってよいと思う。

20世紀の主役だったファーストマシンの時代が終わり、21世紀にはデジタル技術をコアとするセカンドマシンの時代が始まっている。ファーストマシンエイジでは画一的大量生産が世界を席巻したが、テクノロジーの進化で距離を克服できるようになったセカンドマシンエイジでは「ニッチを狙った極端な専門化や特化もナンバーワンになる可能性」がでてくるという。カスタム生産のコストも劇的に低下するので、人それぞれに合わせた製品を作ることが容易になる。画一的な製品で満足せざるをえなかった時代から、人間の多様なニーズに応えたモノを入手できる時代になる。たいへん結構なことではないか。

他方、セカンドマシンエイジでは、定型的あるいは反復的な仕事は、ディスクワークを含めて機械に奪われていく。人間に残される仕事は「アイディアを生み出す仕事」、「多くの知覚や運動能力を要する仕事」、「人間同士の複雑なコミュニケーションを要する仕事」だそうだ。これらは、当面の間は、コンピュータにはできない仕事だと考えられるからだ。しかし、こうした仕事、職種にすべての人間が適応できるとは考え難いし、あらゆる雇用を吸収できるとも考え難い。多くの人間には厳しい時代がやってくると思われる。

セカンドマシンエイジでは、仕事や報酬についての考え方、人間の生き方に関わる価値観が大きく変わっていくような気がする。そうしたこれからの時代の在り様、今後の自分の生き方などなど、いろいろなことについて考えさせられた一冊であった。

この本は、知り合いの推薦で手にとった。とりあえずの感想は、余りに常識的な議論と結論で、がっかりしたというところ。
位置づけとして、著者らの前著「機械との競争」2013との比較が要るだろう。前著では、現在世界で直面している雇用問題は、機械により雇用が失われるという根本的事象によるのだという、かなり極端な議論をして、それに対して、「機械とのパートナーシップ」という処方箋を提示していた。前著では、所得の格差拡大という問題は取り上げられていなかった。
本書は、おそらくは前著の反響を踏まえて、総括的な内容ということになっている。目次は下記の通り
第1章 人類の歴史の物語
第2章 機械とスキル
第3章 ムーアの法則とチェス盤の残り半分
第4章 デジタル化の大波
第5章 組み合わせ型イノベーション
第6章 人工知能とデジタル・ネットワーク
第7章 セカンド・マシン・エイジのゆたかさ
第8章 GDPの限界
第9章 セカンド・マシン・エイジの格差
第10章 最強の勝ち組はスーパースター
第11章 ゆたかさと格差は何をもたらすか
第12章 個人への提言
第13章 政策提言
第14章 長期的な提言
第15章 テクノロジーと未来
原書では、第15章の題名に(Which is very different from “Technology IS the Future”)というカッコ書きが付いているのだが、翻訳では外されている。(なぜだろう?)また、日本語版の序文に代えてということで、Foreign Affairs 2015年7・8月号の「人間は馬と同じ運命をたどるのか?」が転載されている。
このForeign

この『ザ・セカンド・マシン・エイジ』(第2次機械化時代)(原題:The Second Machine Age: Work, Progress, and Prosperity in a Time of Brilliant Technologies)は、技術革新に伴う労働環境の変化への対応ができる前にまた新たな技術革新が起こることで失業が増え格差も拡大するという『機械との競争』の二人の著者、MITのエリク・ブルニョルソン教授とアンドリュー・マカフィー主任研究員による第二弾で、久々に読み応えのある本でした。
大まかに言えば、本書では、セカンド・マシン・エイジにおいて、短期間にどれだけの技術的な進歩が起きたか、これから更にどのような進歩が起きるのか、それは我々の生活や雇用にどのような影響をもたらすのか、そしてこの新しい時代に政府や個人はどのような対策を取れるのかが論じられています。
18世紀後半に蒸気機関とともに始まった産業革命が「第1次機械化時代」で、これは「人間の力を増大させるための動力システムの時代」でしたが、コンピューターを中心とした「第2次機械化時代」は、動力の用途を決定する制御システムの多くを自動化し始めていて、多くの場合、人間より的確な判断ができるということです。
人類は蒸気機関によってもたらされたのと同様の「変曲点」(inflection point)に差し掛かっていて、この急激な変化をもたらしているのは、「指数関数、デジタル、組み合わせ」の三つの技術的進歩だとしています。これはITやコンピュータ技術の急速な進歩によって、人類が生物としての「特異点」(singularity)を超えると主張してベストセラーになった、レイ・カーツワイルの『ポスト・ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき』と同様の見方で、我々人類はこれから歴史上最も画期的な二つの出来事に立ち会う幸運に恵まれる、それは真のマシン・インテリジェンスの誕生と、デジタル・ネットワークを通じて世界の全ての人々が結ばれることだと言っています。

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