On The Road (Classics on Cassette) の感想

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参照データ

タイトルOn The Road (Classics on Cassette)
発売日販売日未定
製作者Jack Kerouac
販売元Highbridge Audio
JANコード9780453008303
カテゴリ » 洋書 » By Publisher » Penguin Books

購入者の感想

ジャック・ケルアックの代表作はなんだろう。私が問われれば素直に本書「オン・ザ・ロード」だ、と答えるだろう・・・けど、「孤独な旅人」もいいよなあ、なんてことを考えてしまう。というのも、ケルアック作品には一貫して「孤独」「放浪」が貫かれているからだ。
さて「オン・ザ・ロード」だが、英語自体はまったく難しくない。浅学非才の自分でも読み進めることができた。で、なぜ本書が「ビート世代の代表作」となっているか、だが、それは翻訳ではわかりにくい。
日本語版が悪いとはいわない。というのも、ケルアックは本書で、英語でしかできない、瑞々しい、若々しい表現を行っているので、翻訳となるとどうしてもわかりにくいのだ。日本語版を読んで、なぜ本書が60年代アメリカで重要視されているのか、わからない方には本書はお勧めだ。
ジェームズ・ジョイスは「フィネガンズ・ウェイク」で、アルファベットを使い、あらゆる国の言語を表現しようとして大失敗(この箇所については大きい反発を覚悟している)してしまった。「〜ウェイク」はまあ、30年経っても残るだろう。だが「オン・ザ・ロード」が文芸界に叩きつけた衝撃は「〜ウェイク」どころではない。
ウィリアム・バロウズ「裸のランチ」を思い浮かべて欲しい。あれほどの徹底した支離滅裂さ加減がなぜウケたか。それはバロウズが「ジャンキー」「麻薬書簡」で、平凡な(そんなことはない、とは、私自身も思っていることなのだが)表現を行い、「このままじゃいかん」と焦ってしまった、ということは容易に想像がつく。そして「〜ランチ」で全世界に受け入れられ、「ソフトマシーン」「ノヴァ急報」と、「なんかクールだけど難解」な本を書いてみよう、と、そっちのほうに進んでしまった・・・ということは、山形浩生氏の「たかがバロウズ本」を参照してください。
「オン・ザ・ロード」にはそういった要素はない。純粋に英語文芸として素晴らしい。ひたすら、若々しい。若いときにしか書けない本である。難解さを作ってウケ狙いしよう、なんて下心もない、ひたすら美しい青春小説である。

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