悪者見参―ユーゴスラビアサッカー戦記 (集英社文庫) の感想

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参照データ

タイトル悪者見参―ユーゴスラビアサッカー戦記 (集英社文庫)
発売日販売日未定
製作者木村 元彦
販売元集英社
JANコード9784087473360
カテゴリ » ジャンル別 » スポーツ・アウトドア » スポーツ

購入者の感想

この本は不思議な本です。とっても不思議な本です。
 サッカー選手のルポルタージュなんですが、それをはるかに超えてしまってい
ます。
 スポーツルポのはずが、第一級の旧ユーゴ紛争の現地ルポルタージュとなって
いるという意味において、私にはとっても不思議な本です。
 ボスニア紛争、コソボ紛争、旧ユーゴでの相次ぐ紛争。
その紛争を巡る書物を5、6冊読みました。
 しかし、それらの紛争を真っ向から扱ったはずの本よりも、
この本の方がはるかに現地の生きた現実をより多く含んでいます。
そういう意味において、この本は第一級の旧ユーゴ紛争のルポです。
 筆者は、セルビアだけが一方的に悪者扱いされることに憤激しています。
しかし、セルビア側に同情的だけではありません。
コソボでのセルビア民兵によるとされる虐殺現場にもいち早く駆けつけ、
虐殺死体を自分の目で実際に検分しています。
 少なくとも、服を着替えさせた形跡はない、子供の死体もあった、と。
 筆者は、「絶対的な悪者は生まれない。絶対的な悪者は作られるのだ」と
主張する。
 世界中から一方的な悪者にされたセルビアのことだ。
 筆者は、対立勢力の双方の意見に十分に耳を傾けている。
 筆者と語る、セルビア人、クロアチア人、コソボのアルバニア系住民、モンテ
ネグロ人、皆が皆、皆本当にいい奴ばかりなのだ。
なのに何故、、、、こんなことになってしまったのか、、、、
 確かに、セルビアは民族浄化、レイプ、悪逆非道なことをした、それは筆者も
認めている。
 しかし、対立勢力(クロアチア、ムスリム、コソボのアルバニア系)も同様の
ことをしたのだ。
 
 1999年3月27日、神戸ユニバーシアード記念競技場。
 ストイコビッチのアシストで名古屋グランパスが得点。
ストイコビッチはユニフォームをたくし上げて咆哮した。
Tシャツには、「NATO STOP STRIKES」が浮かんでいた。

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