Tara Road の感想

あまりなじみがあるとは言い難いアイルランドがこのごろ面白いのです。『アンジェラの灰』で興味がかきたてられ、Maeve Binchyにたどり着きました。米語に較べ、少しクセがある英語ですが、ストーリーの展開にひきこまれます。ｸﾗｰｸ･ｹﾞｰﾌﾞﾙが死んだ日に生まれたリアは、初恋のハンサムなダニーと結婚し、思いがけずダブリン郊外のタラ･ロードの大邸宅に暮らすようになります。しかし、本当に人生は思いがけないことが起こるもので…　Binchyの作品らしく様々な人物が生き生きと脇役で登場するなか、ひょんなことから家を交換して休暇を過ごすことになったアメリカ人マリリンとの出会いでリアが見つけたものは…人間味あふれるBinchyの作品の中でも「優しさと強さ」が心に響いてくる作品です。現代的女権拡張論者にはまだるっこしい主人公でありストーリーであるかもしれません。しかし、懐かしさと安らぎが読後あふれてきます。中高年の女性にお勧めしたい作品です。