マルクスと日本人――社会運動から見た戦後日本論 の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルマルクスと日本人――社会運動から見た戦後日本論
発売日2015-07-17
製作者佐藤 優
販売元明石書店
JANコード9784750342184
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » イデオロギー

購入者の感想

サトウ主義の戦後日本思想史観が、マルクス主義をプリズムにしてダイナミックに展開されている対談の再録本です。

佐藤さんは、非共産党マルクス主義(労農派マルクス主義)、とりわけ世界初のマルクスエンゲルス全集を編纂した日本労働運動史の最重要人物向坂逸郎の社会運動史上の重要性を後世のために記録、総括することを主眼に本書を上梓されました。しかし、真の価値は、結論ありきの講座派と、脱教条、非共産党マルクス主義の思考の労農派を、日本人の二大思考形態として総括していることだけでなく、ソ連社会主義の失敗と労働運動の失敗の歴史を総括して、21世紀の日本に於ける社会主義、社会改革の展望と総括が最も説得力に富んでいることです!本書は、現在の日本の社会主義の最重要文献です。

幾つかの要諦を概括すると、以下の如くです。

1. 非共産党マルクス主義の脱中心化思考の労農派は、日本の特色ある社会主義運動の包摂力に富んだ最良部分である。それは、社会主義運動と労働運動を乖離させず、あくまで労働運動として、階級闘争を平和革命の理念で展開する。そして、スターリンの二段階革命論はとらない。日本的特色ある社会主義運動は、世界水準。

2. 産別、県別、中央労組で、労働者階級全体の統一協働の組織網の構築で、労使問題=階級闘争に対処し、真の団結を組織的に達成させること。

3. 人民内部の矛盾の解決は、日本的内ゲバ文化=農耕社会的セクト主義という政治組織を無力化する傾向との戦いで不可欠である。

4.ピケティは、自分たちで格差、差別是正をせず、官僚機構の課税に望みを託している点で待機主義である。しかし、彼がフラットタクスに反対の点を本書は言及していない。

5. 労働時間の短縮は、ソ連が達成した社会主義の成果である。

6. ソ連の社会主義市場の選択肢では、商品や市場を否定していないのは、反動ではない。どちらも、資本主義から応用できる便利な分配手段として配給制度より機能する。この点は、ソ連の証明した社会主義の真理である。

7. 労働力の商品化と合理化による労働者の圧迫とは、戦わなければならない。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

マルクスと日本人――社会運動から見た戦後日本論

アマゾンで購入する
明石書店から発売された佐藤 優のマルクスと日本人――社会運動から見た戦後日本論(JAN:9784750342184)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.