Handbook of Viscoelastic Vibration Damping の感想

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　本書は動特性の周波数依存や温度依存の計測法、分数階モデルによる同定、逆フーリエ変換によるクリープ回復応答などの時間応答、粘弾性体を用いた振動制御の最適化などに言及している。
　R.M.クリステンセン原著、國尾武他訳、「粘弾性力学の基礎」雄松堂出版はこの分野の理論体系の基礎を美しくかつ完璧に論じているが、読み手にとってはやや難解である。それに対して本書は計算例を挙げ読みやすいが、しばしば詰めが甘い。原著にはないが必要な情報は、訳者が付録などで補充すると良かったと思う。
　とは言え、本書の内容の概略を知っておき、必要な時に大学の図書館や大き目の公立図書館で閲覧されることをお薦める。