首狩の宗教民族学 (単行本) の感想
参照データ
タイトル | 首狩の宗教民族学 (単行本) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山田 仁史 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480843050 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 宗教 » 原始宗教 |
購入者の感想
東南アジアと台湾を中心としつつ、南洋諸島から西洋にまで広く目配りした研究書。
民族誌的文献を渉猟して首狩りの習俗を具体的・学術的に紹介している。
いずれも通常目にしない文献であり、これだけでもたいへんに貴重。
(写真・図版が少なめなのはやや残念)
先行する学者の解釈にも触れているが、理論的論争にあまり立ち入らず、淡々と
事実を説明していく姿勢は好印象だし成功している。
不幸なことに(あるいは幸いなことに)習俗としての首狩りはこの世に絶えて久しいから
このテーマの研究は過去文献の探索と読み込みにならざるを得ない。
その意味では、これだけ広く渉猟紹介した本書は、決定版といってよさそうだ。
本書を読むといろいろ考えさせられる。
現代の首狩りといえば、某宗教を掲げた過激派集団の政治的宣伝行為や
神戸の猟奇的犯罪が想起されるが、いずれも民俗学的現象とは言い難い。
むしろ、現代日本人は「なぜ首を狩らないのか」という問いがありそうだ。
首を狩ることに対する抵抗感は、現代の日本人にほぼ共通する感覚である。
しかし海外ではそうでもない(少なくとも法的処刑に公開斬首がある)。
これをもたらしたのは教育なのか、宗教なのか、近代化なのか。
このテーマに関心を持つ変わり者の方々におススメ。
民族誌的文献を渉猟して首狩りの習俗を具体的・学術的に紹介している。
いずれも通常目にしない文献であり、これだけでもたいへんに貴重。
(写真・図版が少なめなのはやや残念)
先行する学者の解釈にも触れているが、理論的論争にあまり立ち入らず、淡々と
事実を説明していく姿勢は好印象だし成功している。
不幸なことに(あるいは幸いなことに)習俗としての首狩りはこの世に絶えて久しいから
このテーマの研究は過去文献の探索と読み込みにならざるを得ない。
その意味では、これだけ広く渉猟紹介した本書は、決定版といってよさそうだ。
本書を読むといろいろ考えさせられる。
現代の首狩りといえば、某宗教を掲げた過激派集団の政治的宣伝行為や
神戸の猟奇的犯罪が想起されるが、いずれも民俗学的現象とは言い難い。
むしろ、現代日本人は「なぜ首を狩らないのか」という問いがありそうだ。
首を狩ることに対する抵抗感は、現代の日本人にほぼ共通する感覚である。
しかし海外ではそうでもない(少なくとも法的処刑に公開斬首がある)。
これをもたらしたのは教育なのか、宗教なのか、近代化なのか。
このテーマに関心を持つ変わり者の方々におススメ。