ヒッグスを超えて ポスト標準理論の素粒子物理学 (別冊日経サイエンス) の感想

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タイトルヒッグスを超えて ポスト標準理論の素粒子物理学 (別冊日経サイエンス)
発売日2014-12-17
販売元日本経済新聞出版社
JANコード9784532512033
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 物理学 » 原子・素粒子物理学

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少々難解だが、非常に面白くてエキサイティングな内容だった。2012年7月のヒッグス粒子の発見及びその意義、CP対称の破れ、標準理論、ニュートリノ研究、超対称性理論、プレオン仮説、超ひも理論、余剰次元と、月刊サイエンスの過去の記事から選び出された、現代素粒子物理学に関する最新テーマがぎっしり詰まっている本である。

7月革命とも称されるヒッグス粒子の発見については、この成果をもたらしたCERNの世界最強加速器LHCや実験及び理論が提唱されて証明にいたるまでの過程について詳しく紹介。日本の物的・人的な貢献についてもページが割かれてあり、ATLASの中心メンバーの1人である浅井祥二東大教授氏にスポットを当てたレポートもある。

ヒッグス氏がアイディアを考えついたきっかけになったのは南部陽一郎氏とヨナ=ラシニオ氏の1961年の論文だったそうで、その南部氏が対称性の破れとヒッグス粒子について語った講演の内容、さらには小林誠氏と益川敏英氏がヒッグス粒子発見の意義について語っているインタビューも掲載されている。

質量が大きい以外は電子とそっくりのミュー粒子の理論と実験のズレの違いを探る研究、電気的に中性で電子の100万分の1以下と非常に軽いニュートリノの研究及び「マヨナラ粒子」(粒子と反粒子が同一)というタイプに分類されるその反粒子探しや「ステライルニュートリノ」と呼ばれる新粒子の兆候などの話もある。ニュートリノの探求を進めるために日本で進んでいるT2K実験、カムランド禅の実験、検討が行われているスーパーカミオカンデの20倍のハイパーカミオカンデにも言及されている。スーパーコンピューター「京」を利用した超弦理論のシュミレーションの話は、超弦理論発展の経緯をたどる読みものとしてもよかったが、肝心のシュミレーションの部分は個人的にだいぶ難しかった。

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