鍵のない夢を見る (文春文庫) の感想
参照データ
タイトル | 鍵のない夢を見る (文春文庫) |
発売日 | 2015-07-10 |
製作者 | 辻村 深月 |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784167903985 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » た行の著者 |
購入者の感想
女性が人との関わる様々な場面において不安、孤独、寂しさが忍び寄る
作品である、犯罪がらみの内容だけに怖さもあるが魅力ある短編である。
「君本家の誘拐」での主人公良枝と理紗の会話のなかで理紗「謝らない
んだ」良枝「え?」良枝「心配かけてごめんねって謝るかと思った」の「くだり
等は心の動きをよくとらえており印象に残ったフレーズである。
作品である、犯罪がらみの内容だけに怖さもあるが魅力ある短編である。
「君本家の誘拐」での主人公良枝と理紗の会話のなかで理紗「謝らない
んだ」良枝「え?」良枝「心配かけてごめんねって謝るかと思った」の「くだり
等は心の動きをよくとらえており印象に残ったフレーズである。
まず、各々の話の内容が際どい。日常に潜む危機、自分自身が持つ危険といったら月並みか?
そして何よりもイタイ話であると言うこと。
他の方のレビューにもあるがスッキリしないんだね。同じ直木賞短編集で言ったら重松清『ビタミンF』、森絵都『風に舞い上がるビニールシート』みたいに、たとえ悲劇であっても読後感は爽やかなんだが、辻村さんのには無いんだな。
要はこれ純文学とエンターテイメントの境目にあると言う意味で際どいのである。
娯楽小説読み慣れた人には避けたい本かも知れぬ。純文学派の方が好むような話だと思う。
文上手いし、ストーリーに破綻無いし、オレは評価する。
オレは基本的に純文学、古典、そして時々エンターテインメントと織り交ぜて読んでいくのが文学と付き合うコツだと思う。幅を持たせるのが肝要。
※日頃本を読まない人が又吉の『火花』読んで、無理に「文学とはこういう物か」と自分を無理矢理に納得させているのは悲劇だと思う。
そして何よりもイタイ話であると言うこと。
他の方のレビューにもあるがスッキリしないんだね。同じ直木賞短編集で言ったら重松清『ビタミンF』、森絵都『風に舞い上がるビニールシート』みたいに、たとえ悲劇であっても読後感は爽やかなんだが、辻村さんのには無いんだな。
要はこれ純文学とエンターテイメントの境目にあると言う意味で際どいのである。
娯楽小説読み慣れた人には避けたい本かも知れぬ。純文学派の方が好むような話だと思う。
文上手いし、ストーリーに破綻無いし、オレは評価する。
オレは基本的に純文学、古典、そして時々エンターテインメントと織り交ぜて読んでいくのが文学と付き合うコツだと思う。幅を持たせるのが肝要。
※日頃本を読まない人が又吉の『火花』読んで、無理に「文学とはこういう物か」と自分を無理矢理に納得させているのは悲劇だと思う。