ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論 の感想

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タイトルゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論
発売日販売日未定
製作者小林 よしのり
販売元小学館
JANコード9784093897150
カテゴリ社会・政治 » 政治 » 日本の政治 » 天皇制

購入者の感想

「天皇は象徴である」

と学校教育で習った世代には強烈なパラダイム・シフトが起こる書である。

天皇に対する歴史を紐解き、
GHQの作為的な天皇廃絶策も解き明かしながら、

「天皇は祭祀王である」

と再定義している。

恥ずかしながら私自身にそれほど事前知識がなかったため、
非常に感心しながら一気に読み進められた。

小林よしのり氏の著書は賛否両論あるが、
大量の参考文献に裏付けされた事実の確認と、
そのテーマに関わる様々な意見が収集できるので、
情報ソースの一つとして十分機能するのではないか。

日本人もしくは日本に居住する者として
知っておくべき最低限の知識が詰まっていると思う。

作品中に出てくる著者の少年時代。憲法を授業で習い、
「そうか、国民主権か、じゃあ「象徴」の天皇は国民の意志でどうにでもなるんだ」。

・・・僕も自分が小学生の頃、社会の授業で全く同じ感想を持ちました。
小林氏が本書で書いているような天皇観を持つようになったのは、長じてから、
というより社会人になってから随分な時間が経過した後だったと記憶します。
それくらい教育の「刷り込み」効果は強い。

国民を思う無私の祈り、不可侵の神聖なるものとして国体の中心・拠り所として連綿と
続いてきた皇室。「天皇制」や「天皇家」といった天皇を相対化する語彙がいかに本質を
見ていないか、のような基礎的な内容からはじまって逐一、「絶対的存在」としての天皇に
迫った快著。

・・・と、言うか、本来義務教育で国民が遍く授けられて当然の知識、と思いますが、
本書を読んで「開眼」したひとが多ければ多いほど日本の教育はオカシイ、ということになる。

個人的にはひさびさに胸が熱くなりました。
著者は「戦争論」では敢えて天皇に深く言及せず、その時の
思いを本書にこめたそうですが、その言葉通りの力作と思います。

本書は小林氏にとって『戦争論』(3冊160万部)以来の勝負作らしいです。
オウムに殺されかけても台湾入国禁止になっても何ともない、最もタブーを恐れない作家は「天皇」をどう描くのか?と興味を持ちつつ読みましたが内容は結構マイルドで。
まあ漫画家が正論を言わざるを得ないほど学者がおかしなこと言ってますからね。
娯楽として成り立つように描いているところはさすがです。
天皇には、近代国家の「立憲君主」としての側面と、古代から連なる「祭司王」としての側面がありますが、後者の知識はなかったので大変興味深かったです。
買って損はないですよ。0

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