ぼくらの七日間戦争 (角川つばさ文庫) の感想
参照データ
タイトル | ぼくらの七日間戦争 (角川つばさ文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 宗田 理 |
販売元 | 角川グループパブリッシング |
JANコード | 9784046310033 |
カテゴリ | ジャンル別 » 絵本・児童書 » 読み物 » 推理小説 |
購入者の感想
なんとなく児童小説だと思っていたが、本来は普通の小説らしい。
角川文庫でも入手できるが、はしもとしんのイラストが好きなので、つばさ文庫で読んだ。
三十年前の作品なので、色々と時の流れを感じる。このころはプロレスがゴールデンタイムのTVで見られたんだよなあ。
「クラス全員が一丸となる」という友情ロマンが存在できたギリギリの時代もこのころだろう。
中学一年のクラスメートたちが全員で廃工場に立てこもる。過激な行動の原因が明確でないのは、構成上の欠点のようにも思える。
だが読み進むうちに生徒たちがそれぞれに不満を抱えていることがわかってくる。一流校への進学を強制する親に、暴力教師に、学校そのものに。
全員一致の目的があると、かえって不自然かもしれない。
菊池・相原・安永らおなじみの連中が活躍するのが楽しい。暴力教師や校長をこてんぱんにやっつける場面は、文句なしに痛快だ。
単なるドタバタではなくアイデアがよく練られていて感心する。子供たちの戦いに共感する大人が世間の落ちこぼれというのも納得だ。
子供たちが自らの陣地を「解放区」と呼び、戦いを東大安田講堂になぞらえる。
時代を感じさせるセンスだ。このセンスが通じなくなったころから、日本社会はどんどんヒステリックで息苦しくなってきたような気がする。
幕引きが爽やかで、読後感良好でした。
角川文庫でも入手できるが、はしもとしんのイラストが好きなので、つばさ文庫で読んだ。
三十年前の作品なので、色々と時の流れを感じる。このころはプロレスがゴールデンタイムのTVで見られたんだよなあ。
「クラス全員が一丸となる」という友情ロマンが存在できたギリギリの時代もこのころだろう。
中学一年のクラスメートたちが全員で廃工場に立てこもる。過激な行動の原因が明確でないのは、構成上の欠点のようにも思える。
だが読み進むうちに生徒たちがそれぞれに不満を抱えていることがわかってくる。一流校への進学を強制する親に、暴力教師に、学校そのものに。
全員一致の目的があると、かえって不自然かもしれない。
菊池・相原・安永らおなじみの連中が活躍するのが楽しい。暴力教師や校長をこてんぱんにやっつける場面は、文句なしに痛快だ。
単なるドタバタではなくアイデアがよく練られていて感心する。子供たちの戦いに共感する大人が世間の落ちこぼれというのも納得だ。
子供たちが自らの陣地を「解放区」と呼び、戦いを東大安田講堂になぞらえる。
時代を感じさせるセンスだ。このセンスが通じなくなったころから、日本社会はどんどんヒステリックで息苦しくなってきたような気がする。
幕引きが爽やかで、読後感良好でした。