神様 (中公文庫) の感想

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参照データ

タイトル神様 (中公文庫)
発売日販売日未定
製作者川上 弘美
販売元中央公論新社
JANコード9784122039056
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » か行の著者

購入者の感想

ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞受賞短編集。

高校の国語の教科書に載っていた「離さない」に衝撃を受けて以来、折に触れ何度もあの人魚を思い出していた。どうしてもまた読みたくなって探して、行き着いた本。

「離さない」は勿論良かった。魅せられる静かな狂気。ぞっとするんだけど、最初に読んだ日以来私の心を「離さない」物語。
人魚が人魚姫みたいな美少女じゃないのに魅せられるっているのがいい。狂気の描写が心情描写を延々書き連ねる、という風じゃないのがいい。あっさり描かれていて、だからぞっとする。
人魚のお話は数多くあれど、私の中でのナンバーワン人魚。

で、今回他の収録作も初めて読んだ。知らなかった、「神様」が川上弘美のデビュー作だったんですね。
このお話含め、どれもこれものんびりぽかぽかしてでもどこか切なさを感じる。寂しさとかも。この小説を読み終わった今も、とても寂しい。
いいな、私もそんなくまに会いたいなあ。熊、じゃないのがいいね。

それから「花野」はもうドストレートに泣ける。人に勧めるならまずこのお話からにすると思う。でも変に泣かせようと肩肘張ってない、あっさりとした文章なんだよね。
そら豆嫌いなのに、食べたくなった。

あとがきも面白かった。オチが(笑)。

初・川上さんです。物語の季節の移り変わりに合わせて、ゆっくり読んでいきました。
章は分かれていますが、それぞれのお話に共通のキャラクターが出てきたりします。
地に足の着いた主人公の身の回りの環境を感じながら、いろいろな出来事を一緒に
体験していくような感覚でした。

「くまと川原へ散歩に出掛ける」。
この物語の世界ではありそうな感じで、その描写はふんわりしつつも、ちょっと胸に
来る瞬間が。
最後の章は意外でしたが、現実味があってせつなかったなあ。
あのくまさんは、きっともう手紙を書こうとしないんだろうな、、、

ほかの作品も読みたくなりました!長編も気になります。

この小説には、熊やら河童やら人魚が当たり前のように登場する。そして主人公は、そのことにたいして驚いたりしない。そこにいちいちツッコミを入れたくなるような人には向かない小説。
川上弘美さんの作品を読むのは初めてだったが、本当にいい小説だと思った。
まず、主人公が素直な普通の人であるところに好感が持てる。最近の小説の主人公は、やたら斜にかまえたひねくれ人間が多くてうんざりしていたので、この小説を読んで心が洗われた。
「神様」でほのぼのして、「夏休み」でしんみりして、「花野」で切なくなって、「河童玉」で笑って、「クリスマス」でも笑って、「星の光は昔の光」でいろいろ考えさせられて、「春立つ」で不思議な気分になって、「離さない」でゾッとして、「草上の昼食」で号泣した。
いろいろ楽しめて、とってもお得だ。

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