本当の経済の話をしよう (ちくま新書) の感想
参照データ
タイトル | 本当の経済の話をしよう (ちくま新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 若田部 昌澄 |
販売元 | 筑摩書房 |
JANコード | 9784480066787 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学 |
購入者の感想
本書は、経済学者の若田部昌澄氏とライターの栗原裕一郎氏による対談形式の本です。
読んでみると、「経済学者と知性派のライターの座談会」のような内容の部分が多く、有名なサンデル教授の授業や発言をはじめとして、様々な人の様々な著作についての感想が続きます。
経済学者である若田部氏が経済学やその関連著作について詳しいのは当然かもしれませんが、一方の栗原氏のレベルも高く、対談としてけっこう楽しめる内容になっています。
しかし、この本を読んでもいま一つ経済の知識そのもが深まるとは思えません。特に入門者にとっては、基本的な知識・理論についての平易な解説は不可欠と思いますが、本書は、2人が思いのままに楽しげに語るだけで、基本の部分の解説が不十分です。「自分たちが教養人であることを誇示しようとした本?」とすら思えます。
なので、経済や経済学に関する知識のない人が「基本を身につけよう」という意図で読んでも、ほとんど目的を達成できないと思います。
また、政策提言の面では、新書としては長い約300ページの本にもかかわらず、具体的な提言が多く提示されているわけではありません。
主な主張は、次の2つと思います。
(a) (この本が出版された2012年8月時点においては)世界的な金融緩和の中で、日銀は金融緩和に積極的ではなく、デフレを招いている。にもかかわらず、自ら反省しようとしない。
(b) 自由貿易は両方にとってメリットがある。TPPについては、参加するのが当然。
以上のとおり、本書は、「誰が読んでも楽しめる有益な本」とは言えないと思います。
経済や経済学のことがそれなりにわかっている人が、経済学者の対談を楽しむということであればいいのですが、そうでない人にとっては退屈かもしれません。
よって、部分部分を試し読みしてから購入するほうがいい本と思います。0
読んでみると、「経済学者と知性派のライターの座談会」のような内容の部分が多く、有名なサンデル教授の授業や発言をはじめとして、様々な人の様々な著作についての感想が続きます。
経済学者である若田部氏が経済学やその関連著作について詳しいのは当然かもしれませんが、一方の栗原氏のレベルも高く、対談としてけっこう楽しめる内容になっています。
しかし、この本を読んでもいま一つ経済の知識そのもが深まるとは思えません。特に入門者にとっては、基本的な知識・理論についての平易な解説は不可欠と思いますが、本書は、2人が思いのままに楽しげに語るだけで、基本の部分の解説が不十分です。「自分たちが教養人であることを誇示しようとした本?」とすら思えます。
なので、経済や経済学に関する知識のない人が「基本を身につけよう」という意図で読んでも、ほとんど目的を達成できないと思います。
また、政策提言の面では、新書としては長い約300ページの本にもかかわらず、具体的な提言が多く提示されているわけではありません。
主な主張は、次の2つと思います。
(a) (この本が出版された2012年8月時点においては)世界的な金融緩和の中で、日銀は金融緩和に積極的ではなく、デフレを招いている。にもかかわらず、自ら反省しようとしない。
(b) 自由貿易は両方にとってメリットがある。TPPについては、参加するのが当然。
以上のとおり、本書は、「誰が読んでも楽しめる有益な本」とは言えないと思います。
経済や経済学のことがそれなりにわかっている人が、経済学者の対談を楽しむということであればいいのですが、そうでない人にとっては退屈かもしれません。
よって、部分部分を試し読みしてから購入するほうがいい本と思います。0