学校で教えてくれない音楽 (岩波新書) の感想
参照データ
タイトル | 学校で教えてくれない音楽 (岩波新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 大友 良英 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784004315209 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
音楽趣味を深めたいと思ったとき、音楽史や楽典や演奏教本を手に取ることが多いのではなかろうか。そこには「音楽とはこういうものである。歴史があり理論があり実践がある。こういうジャンルがあって、当該分野のビッグネームは誰それで、楽しむコツはこれである」というようなカッチリした音楽理解がある。確かにそういう理解に沿って音楽書を渉猟したり演奏を楽しんだりするのは有意義ではある。これは「既存体系への参入」とでもいったスタイルである。
本書の素晴らしいところは、そういった「既存体系への参入」というスタイルに対するオルタナティブを示している点である。
「指揮者が腕を振り下ろしたらバン!と音を出す」のような原始的なローカルルールをその都度自分勝手に作って音楽する、そういった「創作の楽しみ」とでもいうべきものを示している。アマとプロの区別を自明視しないような音楽の可能性について考えさせられる。
具体的実践例を挙げながら、「音楽するってどんなこと?」のような根本的思考に誘ってくれる。これはおそらく民族音楽のことを考えたときに惹起される思考と同質のものであろう。音楽ファンにとって、新鮮な角度から音楽に再入門させてくれる機会になるはずだ。
ごく平易な文章ながらも、音楽について原理的な示唆に富んでいる。音楽ファンのみならず、単に知的興味の対象として音楽に触れたいという向きにも強くお勧めしたい。
本書の素晴らしいところは、そういった「既存体系への参入」というスタイルに対するオルタナティブを示している点である。
「指揮者が腕を振り下ろしたらバン!と音を出す」のような原始的なローカルルールをその都度自分勝手に作って音楽する、そういった「創作の楽しみ」とでもいうべきものを示している。アマとプロの区別を自明視しないような音楽の可能性について考えさせられる。
具体的実践例を挙げながら、「音楽するってどんなこと?」のような根本的思考に誘ってくれる。これはおそらく民族音楽のことを考えたときに惹起される思考と同質のものであろう。音楽ファンにとって、新鮮な角度から音楽に再入門させてくれる機会になるはずだ。
ごく平易な文章ながらも、音楽について原理的な示唆に富んでいる。音楽ファンのみならず、単に知的興味の対象として音楽に触れたいという向きにも強くお勧めしたい。