あの頃映画 松竹DVDコレクション 男の顔は履歴書 の感想

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参照データ

タイトルあの頃映画 松竹DVDコレクション 男の顔は履歴書
発売日2013-11-27
監督加藤泰
出演安藤昇
販売元松竹
JANコード4988105067769
カテゴリDVD » ジャンル別 » 日本映画 » ドラマ

購入者の感想

加藤泰は徹底して頑固一徹、信念の人であった。
それは何も独特の演出スタイルと技法だけの話ではなく、思想性や人間味についてもそうであった。

孤独な日蔭者へのシンパシ―と社会的弱者への優しい眼差し、かけがえのない仲間への熱き思い。
その作品世界と発言に触れるとそう思えてならない。

かって、深作欣二の「蒲田行進曲」が大ヒットし、絶賛の嵐が巻き起こっていた時、物語のモデルが加藤泰映画の常連俳優であった汐路章だった事もあり、「あんな大部屋俳優の事をバカにした映画は許せません」と一刀両断に斬り捨てたのは有名な逸話だ。
そして、「男の顔は履歴書」もまた、そのイズムが垣間見える作品だ。

唐十郎監督「仁侠外伝・玄海灘」の作品レビューでも触れたが、今作を観たのは、文芸地下だったか、並木座か、とにかく安藤昇特集としての2本立てでだ。
日本人と朝鮮人、ナーバスな問題を含んだかなりヘビィなプログラムであったと今更ながらに思うが、鑑賞時、体調が最悪で高熱が出ていたのは、その濃密さにあてられたからではない。

「男の顔は履歴書」は、戦後間もない混乱期の焼け跡と闇市のある町で展開される日本人と朝鮮人の、どうにもならない感情のぶつかり合い、愛憎の絡み合いを描いたドラマだ。
先行するふたりのレビュアーの方々の優れた見立てに全く同感で、ここで登場するのは、戦地からの引揚者で戦争で何もかも失ってしまい、隣接する商店街の人々から蔑まれている日本人たちと、日本の敗戦でそれまで差別迫害されてきた恨みを晴らすべく闇市に暗躍しその支配権を奪おうとする朝鮮人ギャングたち。どちらも日蔭者としての負い目と怨念を抱く者たちが、いがみ合い対立する悲しみ。

なんともやるせない構図だが、かと言って、彼らは社会の犠牲者として描かれている訳ではなく、その嫌な部分も容赦なく描きながらも、それぞれ人間としてのヴァイタリティと躍動感を感じさせる。

その一方で、映画の中で特に印象的な役回りを演じるのが安藤昇や中谷一郎、真理明美。

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