ノア・P・シングルトンの告白 (ハヤカワ・ミステリ文庫) の感想

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参照データ

タイトルノア・P・シングルトンの告白 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
発売日販売日未定
製作者エリザベス・L. シルヴァー
販売元早川書房
JANコード9784151809019
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

ここしばらく読んだ作品の中で最高に面白かったです!
 
去年は、「その女アレックス」が翻訳ミステリNo.1だったと思いますが、今年のNo.1はこの作品なのではないでしょうか。
「その女アレックス」と共通しているのは、主人公ノアが「囚われの身」であるということ。
ただ、大きくことなるのが、アレックスが暴漢に誘拐されたということに対して、ノアは死刑判決の確定囚、つまり、法律によって囚われているということ。
 
さらに、ノアは自らの罪状を争う意思はありません。
となると、執行のその日をただ、待つのみということになりますが、ある日、死刑廃止運動に身をおく弁護士2人がノアへの面会に訪れ、再審、または恩赦によって、ノアの極刑を差し止めたいと、そう、ノアに申し出ます。
しかも、その弁護士のうちの一人は、ノアが起こした事件の被害者の母親で、法曹界の有力者です。
ただ、ノアは自身の立場について達観していて、この2人に冷めた姿勢で応対します。
 
この人物関係と状況設定にスタートからぐっと引き込まれます。
また、弁護士2人による真実の究明、事件の再再捜査が始まるのかと思いきや、本作のタイトルのとおり、ノアの告白が語られていくことになります。
その告白のスタートも「母は出産後、わたしをまっさかさまに落とした」と、これまでのノアの人生が、いかにもいわくありげで、ノアの悔恨が語られていくのかと思わせられるのですが、(実際、彼女自身の生き様の悔恨も語られるのですが)これも全く予想の裏切り、の連続です。
 
ストーリーの展開は、弁護士2人が面会にきてからの状況と、ノアの過去の告白の語り、この2本のプロットがノアの一人称で語られていくのですが、この展開にもう一本、太い軸が交わります。
 
それは、ノアの事件の被害者の母親の弁護士、マーリーンの娘への手紙です。
この3本のプロットが多面的に進行しつつ、事件の真相を巧みに見え隠れさせ、読み手にとって、ストーリーの先行きに予断を全く与えず、非常にスリリングに展開していきます。

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