覚悟 理論派新人監督は、なぜ理論を捨てたのか の感想

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タイトル覚悟 理論派新人監督は、なぜ理論を捨てたのか
発売日販売日未定
製作者栗山英樹
販売元ベストセラーズ
JANコード9784584134535
カテゴリ » ジャンル別 » スポーツ・アウトドア » スポーツ

購入者の感想

なぜプロ野球選手なのにバントの一つも出来ないのか?
野球を見ているとこのように思うことがよくある。外野フライ(犠牲フライ)も同様。
しかし、見るのとやるのでは大きく違う。
送りバントに否定的な論文を発表しながら、実際に自身が采配を振るうなかでバントを多用した理由のようである。
監督就任から刊行時までの想いが先人の言葉を引用しながら興味深く書かれている。

私は、福岡市在住の“札付き”のホークスファン。
この本を読み終えた今、栗山ファイターズに“浮気”しそうになっている。
それほど、人間・栗山氏の魅力と、選手との心の交流が生き生きと伝わってくる良書である。

解説者時代の栗山氏には、明快な解説と親しみやすい人柄に好印象を持っていた。
監督になった時には、豊かな感受性の持ち主だけに、猛者ぞろいの球界では、ご本人が苦しむのでは、と少し心配もしていた。
確かに、この本からは相当な苦悩や葛藤が伝わってくる。
就任の際の記者会見では「怖さしかないですね」と答えたのは、ウソ偽りのない本音だったのだろう。

だが、栗山氏は、自らの信念を貫くことによって、見事に苦しみを力に変えている。
「人の話を聞く」という、解説者時代のスタイルを変えず、選手の「よいところを引き出せばいいのだ」との姿勢を一貫させた。
監督就任直後の秋季キャンプの際、最初に行ったのは、主力選手20人以上との「一対一」の面談であった。
最後の面談者は、その時すでに米大リーグに移籍が濃厚だったダルビッシュ。
7年間、在籍したファイターズのことを誠意を尽くして伝えた、その心への感謝が綴られている。

この本では、至る所で選手への感謝の言葉が出てくる。
人を大切に思い、率直に感謝の心を表す「人間性」こそが、栗山監督の最大の魅力なのだと感じた。
一面では「厳しさ」も併せ持つ。
吉川投手に対して語った「今年ダメだったら、オレがユニフォームを脱がせる」との毅然とした一言が、その一面を象徴する。
一貫しているのは、選手一人一人への変わらぬ「愛情」が常にあること。故に、「苦悩」し続ける。
その内面の葛藤や息づかいまでが伝わってきそうな「語り下ろし」なのである。
ちなみに、吉川投手が今シーズン、殻を破って可能性を開花させ、抜群の成績を残したことは、周知の通りである。

この本には、ポイントとなったゲームのスコアと共に、具体的な場面で栗山氏がどう迷い、どう決断したか、が書かれている。

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