レイアウトの基本ルール 作例で学ぶ実践テクニック の感想

※サンプル画像 クリックで拡大します

紙モノのレイアウトに関する本は数多くでていますが、
ほとんどがチラシか雑誌のレイアウトという印象があります。
本書は身近な名刺をはじめ、変型サイズの多いチケットや
パンフレットまであつかっているのが珍しいとおもい購入してみました。
（雑誌はないですが、パンフレットの応用でカバーできそうです）

また、ネットで調べればすぐでてくることですが、
紙や封筒のサイズ一覧が載っているのも親切だとおもいました。

本書は二部構成となっていて、前半3分の1にあたる
第一章ではレイアウトの予備知識的なことが書かれています。

『タイポグラフィの基本ルール』という本をだした著者なだけあってか、
文字については一番こだわって解説されていました。
個人的には「組み立て方の基本」「定番のスタイル」「トレーニング」の
3項目が興味深かったので、ここにもっとページを割いてほしかったです。

第二章からは作例中心にポイントが解説されていきます。
名刺→ショップカード→チケット→挨拶状・招待状→案内はがき→チラシ→パンフレット
というふうに、文字中心の比較的シンプルなものから、だんだんと要素の多い
複雑なものへと進んでいくのが、よく考えられているなぁとおもいました。

作例はそれほど多くない印象ですが、
それぞれ第一章にでてきた「定番のスタイル」とリンクしており、
ひとつひとつの作例にたいする解説も濃いほうだとおもいます。

本書は必要最小限の文量で基本をおさえているので、入門書としてはよくできています。
もの足りないと感じるところもあるにはありましたが、
「精緻な組み立てや大胆な外しは、基本を知るからこそできる」