バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) [Blu-ray] の感想

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参照データ

タイトルバードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) [Blu-ray]
発売日2015-09-02
監督アレハンドロ・G・イニャリトゥ
出演マイケル・キートン
販売元20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
JANコード4988142105615
カテゴリDVD » ジャンル別 » 外国映画 » ドラマ

購入者の感想

あまり期待せずなんとなく映画館へ観に行ったのだが、個人的には凄くいい映画を観た気分になった。
映画の中の雰囲気が凄く好みで劇場へ3回も足を運んだ。
音楽がドラムという斬新な発想と途切れないカメラワークがなんか生の演劇に近いものがあったのかなと思った。
そう、Liveを観る感覚に近かったな~。映画なのに。
イニャリトゥ監督の次回作も期待したい。

その昔『バードマン』というヒーロー映画で一世を風靡した俳優リーガンは、現在では俳優業も私生活でも落ちぶれていた。そんな彼はブロードウェイでレイモンド・カーヴァーの短編小説『愛について語るときに我々の語ること』を舞台化し、再起を図ろうとするが…。

本作では現実と虚構という観点において、いくつかのレベルで物語の構造が存在しているのだろう。
たとえば、主人公リーガン演じるマイケル・キートンが、実際に舞台出身でありながら映画『バットマン』初代シリーズでブレイクしながらもその後は出演作に恵まれていなかった現実。それが、虚構である本作中の「バードマン」ことリーガンに投影されているのは疑いえない。
それだけではない。虚構の存在である俳優リーガン(“俳優” というのも虚構を演じる存在だ)もまた、アル中のどん底から這い上がった実在の作家カーヴァーに自らを重ねることで、再起へのプロセスを進もうとしているのだろう。
ほかにも、全編をとおしてのシームレスな映像と、作中世界における “現実” と舞台(虚構)のシームレスな関係、主人公を取り巻く “現実” と彼の見る “幻視(虚構)” のシームレスな関係がリンクし、重層的な物語構造を生み出しているのだと思う。

二時間にも満たない上映時間のなかに数日間という作中時間を圧縮するという制約がありながらも、主人公以外の人物にも焦点をあてたうえ、舞台劇場の内部やその外部であるNYの街並みを縦横無尽に駆けめぐり、全シーン・ワンカットに見えるようなカメラワークと編集技術は圧巻。それを成しえさせた構想力にも舌をまく。

バックで流れるドラムも緊迫感を盛り立てるが、それだけでなく、本作中に突如それを演奏するドラマーが登場することで、本来は作中世界に物理的に関与するはずのない要素である背景音楽が “前景” 化する(BGMと作中世界がシームレスになる)演出も秀逸。

演劇をテーマとして取り込んだ本映画において、自らが所属する映画界、演劇界、広い意味での “芸術” に対する批評性を盛り込む抜け目のなさにも唸らされる。

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