戦争が遺したもの の感想

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参照データ

タイトル戦争が遺したもの
発売日販売日未定
製作者鶴見 俊輔
販売元新曜社
JANコード9784788508873
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

鶴見俊輔が立ち会った状況や振る舞いについて、小熊英二も上野千鶴子も
妥協のないツッコミをみせていて緊張感のある面白い対談となっている。
「民主と愛国」でみせた小熊のの周到な史料の読み込み、その作業で到達し
える再構築と見通しは、実際にその状況を生き感じてきた実感にどこまで
迫ることができるのか?そんな面白みもある。
やや整理を急ぎすぎる小熊の若さを上野が諭すシーンなど「愛情」にあふれ
場面もあり、緊張感の中にも「血の通った対話」を感じる。
状況での立ち位置はさておき、鶴見俊輔の心根が意外と吉本隆明にあい通ず
るものがあるのが面白い。実にしなやかな運動神経をもっているように思え
今まで抱いていたイメージが少し変わったのは事実。
鶴見がハーバードでホワイトヘッドの最晩年の講義を聴講していた、という
のを初めて知った。対談中要所で鶴見の口から語られる「大事なことは漠然
としかものなんだ」という思想は、おそらくホワイトヘッドの抱握論の影響
を受けてるのでせうね(多分ですが・・・)。ホワイトヘッドは単なる平和
論者でも暴力否定論でもない「しなやかさ」をもっていたという。通じるも
のを感じます。

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